[ブリュッセル 11日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は11日、合同で重要インフラ保護のためのタスクフォース(作業部会)を立ち上げることを明らかにした。ロシア産天然ガスを欧州に送るパイプライン「ノルドストリーム」に対する昨年の攻撃や、ロシアの「エネルギーの武器化」を受けての措置という。
フォンデアライエン氏は、昨年9月に黒海で起きたノルドストリームの破壊工作は「新たな形の脅威に立ち向かう」必要性を示したと説明。「作業部会はNATOとEUの専門家で構成し、重要インフラに対する主要な脅威の割り出しや、今ある戦略的脆弱性を見極めるために連携する」と語った。まず輸送、エネルギー、デジタル、宇宙関連のインフラに関して、対応策を提案するという。
ストルテンベルグ氏は、作業部会はNATOとEUの連携強化の一環だと指摘。「重要なインフラや技術、サプライチェーン(供給網)の脅威への耐性をいかに高め、どう脆さを克服するかを共に検証したい」と語った。 欧州とロシアはノルドストリームの爆発を巡り、非難の応酬を繰り広げている。ただ、捜査を行っているスウェーデンとデンマークは、首謀者などについては言及していない。