[ドバイ 12日 ロイター] - 2023年の第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)の開催国であるアラブ首長国連邦(UAE)は12日、国営石油会社アブダビ国営石油(ADNOC)のジャベル最高経営責任者(CEO)がCOP28の議長に就くと発表した。
気候変動問題の取り組み強化を訴える団体の間では、環境危機に対する世界的な取り組みに大企業が介入するとの懸念が高まった。
ジャベル氏の事務所によると、COP28では議題の作成、コンセンサス作りのための政府間交渉などを支援するという。同氏はUAEの産業・先端技術相も務めている。
国連の報道官によると、COPの議長は開催国が選び、国連のグテレス事務総長や国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局は関与しない。
UAEは石油輸出国機構(OPEC)の主要メンバー。アラブ諸国がCOPの開催国となるのは22年のエジプトに次いで2カ国目。
環境保護団体や一部参加者は昨年のCOP27で化石燃料業界が温室効果ガス排出削減の取り組みを骨抜きにした上、天然ガス輸出国で中東湾岸諸国から頻繁に資金が流入するエジプトから有利な取り計らいを受けたと批判している。