[ニューデリー/シンガポール 13日 ロイター] - トレーダー筋とリフィニティブの船舶追跡データによると、少なくとも4隻の中国籍の大型タンカーが、自国向けにロシア産原油を輸送している。主要7カ国(G7)は昨年12月、1バレル=60ドルの上限を超える価格で取引されたロシア産原油について、欧米籍のタンカーが海上輸送を行い、保険を引き受けることなどを禁止した。
世界最大の石油輸入国である中国は、欧米の制裁にもかかわらずロシア産石油の購入を継続している。
また関係筋は、5隻目の超大型タンカー(VLCC)が原油輸送のためインドに向け航行中だと明らかにした。多くの西側諸国が他国産の石油に切り替える中、インドも割安なロシア産の調達を続けている。
取引に関係した中国企業の幹部は、「ウラル原油の価格は、上限の60ドルを大幅に下回り、売買は正当だ」と話した。また、今年はロシア産原油の輸送のために、中国籍の超大型タンカー18隻、大型のアフラマックス・タンカー16隻が使用される可能性があると明らかにした。これらの総輸送量は年間1500万トンと、ウラル原油輸出の約10%に相当する。
一方、インドのプーリー石油・天然ガス相は12日の記者会見で、「最安値で購入できるところから石油を買う」と発言した。