[ロンドン 17日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は17日発表した月報で、2023年の世界石油需要の増加見通しを日量222万バレル(2.2%)とし、昨年12月に公表した前回予想を据え置いた。中国の石油需要が新型コロナウイルス規制の緩和によって回復し、世界需要の増加をけん引すると見込んだ。
経済が強化されれば石油需要が上振れし、中国需要への期待感による原油価格上昇を下支えする可能性がある。OPECは23年の世界経済が前年と比べて相対的に減速すると引き続き予想しているものの、明るい見通しを示した。
同時に発表した昨年12月のOPECの生産量は日量2897万バレルと前月より日量9万1000バレル増え、ナイジェリアの生産回復が押し上げた。
月報では「22年第4・四半期の世界経済の勢いは従来予想されていたよりも力強く、23年に向けて健全な基盤をもたらす可能性がある」と指摘。「中国の石油需要は、最近の『ゼロコロナ』政策の緩和に伴って回復基調にある」とも言及し、財政支出拡大の計画も需要を支える可能性が高いと付け加えた。
OPECは23年の中国石油需要の増加幅が日量51万バレルになると予想している。22年は新型コロナ規制により、中国の石油消費量は数年ぶりに減っていた。
月報では22年の世界経済成長率見込みを3%に引き上げ、米国とユーロ圏の経済成長率が従来見通しを上回ったのを要因として挙げた。23年の世界経済成長率予想は2.5%に据え置いた。