[ダボス(スイス) 19日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は19日、2023年にエネルギー市場がより逼迫する可能性があるとの見解を示した。エネルギーを輸入する途上国への圧力が緩和するよう、価格がさらに上昇しないことを望むとも述べた。
世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の合間に、ロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムのインタビューに応じた。
ビロル氏は「(エネルギー)市場についてあまり楽観視していない。一部が予想しているよりも23年は市場がより逼迫する可能性がある」との見方を示した。
アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は今週、石油市場は均衡が取れていると見ていると言及していた。
ビロル氏は現在の市場は逼迫感がないと受け止めながらも、中国需要やロシアの供給など注意すべき不確実な要素があるとして「多くの金融機関が予想しているように中国経済が今年回復すれば需要は非常に強くなり、市場に圧力をかける可能性がある」と語った。
ロシアに関しては西側諸国の制裁によって輸出能力には疑問点が多いのに加え、より長期的には自国の課題も抱えていると指摘。「ロシアの石油輸出はわれわれが予測したように現在減少しており、今年の第1・四半期以降もさらに減るだろう」との見通しを示した。