[モスクワ 11日 ロイター] - ロシアがイランへの鉄道による燃料輸出を今年に入って始めたことが分かった。ウクライナに侵攻したロシアへの制裁を背景にしたロシアとの取引停止の動きが広がった後では初めて。業界関係者3人と輸出データから判明した。
ともに西側諸国の制裁下にあるロシアとイランは経済を下支えし、両国が不当と主張している制裁を弱体化するために関係を強化している。
ウクライナでの戦闘を巡るロシア産石油製品への制裁によってタンカーはより長い航路を使い、供給側は従来と異なる目的地や輸送方法を選ぶなど世界の燃料市場を大きく変えている。
イランは何年も欧米の制裁下にあり、世界市場へのアクセスは制限されている。
ロシアのノバク副首相は2022年秋、イランとの間で石油製品のスワップ供給を始めることを発表した。しかし、関係筋によると実際に供給が始まったのは今年に入ってからとなった。
輸出データに詳しい2人の関係者によると、ロシアは今年2月と3月にイランへ最大3万トンのガソリンとディーゼル用燃料を供給した。
3人目の関係者はこの取引を確認したものの、数量は確認できなかった。
全てがロシアからカザフスタン、トルクメニスタンを経由して鉄道で供給された。関係者の1人によると、一部のガソリン貨物はイランを出発してイラクを含む近隣諸国にトラックで運ばれた。