[ウィーン 20日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は20日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所について、爆発物などが仕掛けられていないか確認するためにアクセスが必要とした施設の屋根などへの立ち入り調査をロシアがまだ承認していないと明らかにした。
ロシアとウクライナは今月4日、ザポロジエ原発への攻撃が計画されていると相互に非難。これを受けIAEAは5日、同原発に地雷や爆発物が仕掛けられている兆候は確認していないとする声明を発表した。ただ、確実に確かめるために一段のアクセスが必要とし、特に3号機と4号機の原子炉の建屋の屋根のほか、タービンホールや冷却システムの一部などを視察するためのアクセスが必要としていた。
IAEAはこの日、約1週間ぶりに声明を発表。「IAEAの専門家はこの1週間、ザポロジエ原発で追加調査を行ったが、これまでのところ軍事用の重装備のほか、爆発物や地雷は確認されていない」とした。ただ、原子炉の建屋の屋根への立ち入り調査は許可を待っている状態だとした。
声明によると、IAEAの専門家は1号機から4号機までの原子炉を調査。「1号機、2号機、4号機のタービンホールで輸送トラックを確認したが、爆発物や地雷の痕跡はなかった」と報告。ただ、特に関心の高い3号機と4号機の建屋の屋根などへの立ち入りはまだ許可されていないとした。
IAEAは5日の声明で3号機と4号機の建屋の屋根を指定した理由は明記していないが、ウクライナ軍は4日に発表した声明で、この2基の原子炉の建屋の屋根に爆発物が設置されていると指摘していた。