[モスクワ 31日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は31日、7月に失効した黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)について、再開に向けてロシアが保証を得られる兆候は見られないとし、西側諸国が解決への道を阻んでいるとの認識を示した。
国連とトルコが仲介した黒海穀物輸出合意を巡っては、西側諸国の制裁措置で穀物や肥料の輸出が妨げられているとして、ロシアは7月に延長を拒否した。
ラブロフ外相はモスクワを訪問しているトルコのフィダン外相との会談後、ロシアの要求が満たされれば、ロシアは直ちに協定に復帰する用意があるとしながらも、そうした兆候は出ていないと述べた。
フィダン外相は「ロシアは自国の穀物と肥料の輸出を中断しないよう要求している。今回の会談で、こうした要求を満たすことの重要性を確認した」とし、トルコの取り組みに助けられ、国連は新たな提案を準備したと述べた。
ラブロフ氏はこれについて「このメッセージに保証は全く含まれていない」とし、「保証が示されれればすぐにでも提案は全面的に実施される」と指摘。「国連加盟国自身は何もできない。西側諸国に道理をわきまえ、建設的なアプローチを取るよう求めざるを得ないが、西側諸国はそうした意向を持っていない」とし、西側諸国が解決を阻んでいるとの認識を示した。
ラブロフ外相はまた、プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と近く会談を行うと述べた。トルコ関係筋はロイターに対し、エルドアン大統領は9月4日にロシアのリゾート地ソチでプーチン大統領と会談すると明らかにしている。
国連のグテレス事務総長はこの日、黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)復活に向け、ロシアのラブロフ外相に「一連の具体的な提案」を送ったと述べている。