[東京 10日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、利上げ時期の観測に揺れる米国株の動向に左右されやすい。国内では主要企業の決算発表が一巡。盆休みに差し掛かり、商いが細ることも見込まれるなか、外部環境に左右される展開となりそうだ。先物市場における短期筋の動きにより、指数が上下に振れる場面も想定されている。
日経平均の予想レンジは2万0300円─2万1100円。
米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利上げに踏み切るとの見方が米国株の重荷となっている。7日発表された7月米雇用統計が底堅い内容となったことを受け、前週末の米ダウ工業株30種は7日続落した。今週は13日に7月小売売上高、14日に鉱工業生産指数などが公表される。内容次第では米国株に売り圧力がかかりそうだ。
丸三証券経済調査部長の安達誠司氏は、経済指標が「強い数字であれば1回目の利上げを織り込む形となるだろう」とする一方、「それほどアグレッシブな利上げではないとの見方がベースにある。2回目以降どうなるかについては十分に市場に織り込まれていない」と指摘。ひとまず目先の米国株の動きが日本株を左右するとみる半面、新興国経済などへのネガティブな反応などには警戒が必要としている。
国内においては、4─6月期の企業業績は「概ね堅調」(中堅証券)と見る向きが多い。中国経済の不透明感から敬遠されていた外需株も「大きく売り込むような業績でもない」(国内証券)との見方から、買い戻しの動きも徐々にみられている。
野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジストの伊藤高志氏は「米国株が利上げ時期を巡り一喜一憂したとしても、ここのところ日本株が米国株に『お付き合い』をしなくなっている感じでもある」と指摘。良好な国内企業業績を背景に「高値をトライする展開もあり得る」と話している。
ただ、ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、内閣府が17日発表する2015年4─6月期実質国内総生産(GDP)1次速報の予測中央値は前期比マイナス0.5%、年率マイナス1.9%となっている。国内景気の先行きにはなお警戒感があるほか、来週末にはオプションSQ(特別清算指数)算出も控えており、「短期筋のポジション調整などの影響も受けやすい」(国内証券)との声も出ている。
(株式マーケットチーム)