[モスクワ 4日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が4日、ロシアのリゾート地ソチで首脳会談を行った。会談後、エルドアン氏は、黒海を通じたウクライナ産穀物輸出合意は近く再開可能だとの見方を示した。
両氏の直接会談は2022年以来となる。エルドアン氏は会談後、「トルコとしては、短期間で期待に応える解決策に達すると信じている」と指摘。ロシアの期待は誰もが知るところであり、欠陥は解消されるべきとし、トルコと国連はロシアの懸念を和らげるための新たな提案に取り組んでいるとした。
ウクライナが穀物合意再開に関する交渉でロシアに対する態度を軟化させる必要があり、欧州向けではなくアフリカ向けの穀物輸出を増やすべきだとも述べた。
ウクライナのクレバ外相はエルドアン、プーチン両氏の会談を受け国内テレビで、ウクライナが立場を変えることはないが、首脳会談に関するトルコの報告に留意すると述べた。
ロシアが自ら起こした問題で他国に解決を迫る「脅迫」に縛られ続けてはならないと強調した。
一方のプーチン氏は、西側諸国が依然としてロシアの農産物輸出を制限していると主張。その上で、「われわれは、穀物取引を復活させる可能性を検討する用意があり、今日もエルドアン大統領にこの話をした。ロシア産農産物の輸出制限の撤廃に関する全ての合意が成立し次第、これを実行する」とした。
また、ロシアが穀物輸出合意の履行を停止することで食料危機を煽ったという西側の主張は間違っていると主張。「物理的な食料不足はない」とした。
さらに「西側諸国はロシアから世界市場への穀物と肥料の供給を妨害し続けている」と指摘。穀物輸出合意に基づいて輸出された穀物の70%以上が富裕国に供給されており、西側諸国は穀物輸出合意を巡りロシアを「騙した」と非難した。
プーチン大統領によると、ロシアは今年1億3000万トンの穀物収穫を見込んでおり、そのうち6000万トンが輸出可能という。
同氏は、最大100万トンのロシア産穀物をトルコに低価格で供給してトルコ国内で加工し、最も必要としているアフリカの国々に供給する計画について、穀物輸出合意に代わるものではないと説明。
また、アフリカのブルキナファソ、ジンバブエ、マリ、ソマリア、中央アフリカ共和国、エリトリアの6カ国に対するそれぞれ最大5万トンの穀物の無償供給について合意が近いと語った。