[6日 ロイター] - サウジアラビアとロシアが現行の自主的な原油供給制限を年末まで延長するとの報道について、ゴールドマン・サックスのコモディティー調査部門は、原油相場見通しの上振れリスクになると指摘し、北海ブレント先物が来年に1バレル=107ドルまで高騰する可能性もあるとの見方を示した。
報道では、サウジは日量100万バレルの自主減産を、ロシアは日量30万バレルの原油輸出制限を12月末まで3カ月間延長する。これを受け、原油価格は急上昇。北海ブレント先物は1バレル=90ドルを突破した。
ゴールドマンは5日付のノートで第1のシナリオとして、サウジの第4・四半期の生産量が同社の推計よりも日量約50万バレル低い水準にとどまると想定。この場合、同社の今年末時点の原油相場見通しの1バレル=86ドルが2ドルほど上振れするリスクになる。
第2のシナリオは、石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」が今年4月に発表した日量170万バレルの減産の半分を来年1月に撤回しないと想定。この場合、ブレント先物は来年12月までに1バレル=107ドルに達する可能性がある。
ただゴールドマンは、このシナリオは同社の基本路線ではないと指摘。理由として、昨年のエネルギー危機を受けた力強い供給および投資の対応を踏まえると、OPECプラスが1バレル=100ドルを大きく超える価格を追求する公算は小さいことや、好調な米シェール生産、米ガソリン価格の政治的な重要性を挙げた。