Arathy Somasekhar
[ヒューストン 14日 ロイター] - 14日の市場で米原油先物が1バレル=90ドル突破し、インフレに拍車がかかるとの懸念が高まっている。
米WTI先物の清算値はこの日、1.85%上昇し90.16ドルと、2022年11月以来初めて90ドルを上回った。
BOKファイナンシャルのトレーディング担当シニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は、「原油の上昇は、最終的には需要崩壊につながるだろう。ただ、それが90ドルなのか100ドルなのかはわからない」と述べた。
一部の市場関係者は、原油価格は年内に1バレル=100ドルに達する可能性があると予測している。
原油価格の高騰は、ガソリン価格にも影響している。米労働省が13日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇と、昨年6月以来最大の伸びとなった。ガソリン価格が8月に入り高騰し、第3週にピークに達したことが背景にある。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の主要生産国であるサウジアラビアとロシアが、年末まで日量130万バレルの減産を延長したことで、供給は逼迫している。
米国の原油生産量も、過去52週間で掘削リグ数が17%減少したことから、ここ数カ月で横ばいとなっている。