Nina Chestney
[ロンドン 14日 ロイター] - コンサル会社ウッド・マッケンジーは14日付の報告書で、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を達成し、今世紀中に世界の平均気温上昇を1.5度以内に抑えるには、世界全体で年間2兆7000億ドルの投資が必要になるとの見解を示した。
科学者らは、気候変動による壊滅的な影響を回避するため、今世紀の気温上昇を1.5度に抑えることが理想的と指摘している。多くの国ではこの目標を達成するため、50年までのネットゼロ達成目標を掲げている。
しかし報告書は、大半の国が50年は言うまでもなく、30年までの削減目標に向け軌道にすら乗っていないと指摘している。
国連によると、各国の現行削減目標では、気温上昇を1.5度以内に抑制できず、50年までに2.5度上昇する可能性が高い。
ウッド・マッケンジーは、エネルギー部門の脱炭素化には年間1兆9000億ドルの投資が必要だが、気温上昇を1.5度以内に抑えるには1.5倍に当たる2兆7000億ドル増額する必要があると指摘。このうち4分の3は、電力とインフラ部門に充てる必要があるという。
ウッド・マッケンジーの会長兼チーフアナリスト、サイモン・フラワーズ氏は「気温上昇を1.5度に抑制する目標達成は極めて困難だが、達成は可能だ。この10年間に取る行動に大きく左右される」と述べた。
*カテゴリーを追加します