[ルアンダ/ロンドン 21日 ロイター] - アンゴラのアゼベド石油相は21日、石油輸出国機構(OPEC)から脱退すると発表した。OPEC加盟はアンゴラの利益にならないと説明した。原油価格下支えに向け追加減産への支持獲得を目指すOPECにとり痛手となる可能性がある。
アンゴラ大統領府が発表した声明で、アゼベド石油相は「アンゴラはOPECにとどまっても何の利益も得られないと感じており、利益を守るために脱退を決断した」と説明。ロウレンソ大統領もOPECから脱退する決定を承認した。
アゼベド石油相の事務所は先月、OPECとロシアなど非加盟国による「OPECプラス」がアンゴラに対し2024年の生産枠引き下げを提示したことに抗議していた。ブルームバーグの報道では、アンゴラはOPECプラスの決定に不満で、提示された生産目標に縛られない構えとしていた。
OPEC筋によると、アンゴラの脱退決定はサプライズだったという。
アンゴラは07年にOPECに加盟。石油生産量は日量約110万バレル。OPEC全体の生産量は日量約2800万バレル。アンゴラは19年以降、OPECの生産割り当てを満たすほど十分な石油を生産していない。
アンゴラのOPEC脱退に関するニュースを受け、原油先物相場は約2%下落した。
UBSのアナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏は「OPECプラスの結束を巡る懸念から原油価格は下落した」と指摘。同時に、他の有力加盟国が「アンゴラを後追いすることを示唆する兆候はない」と述べた。