[4日 ロイター] - 南アフリカが十分な電力供給を確保するため、2050年までに大規模な発電所建設計画を必要としていることが4日、政府がパブリックコメント募集に伴い公表した計画案で明らかになった。
同国は10年以上も停電に悩まされている。昨年は1日で最大10時間も停電し、過去最悪の事態に見舞われた。
政府が策定した最新の電力統合資源計画書によると、30年までの期間と31─50年の期間における電力不足を解消するため、さまざまな選択肢を分析した。
計画書は、燃料調達から発電までの一体型プロジェクトのような需給調整可能な発電オプションの導入が急務だと指摘。技術的、商業的に実現可能な場合には、発電能力を維持するため石炭火力発電所の閉鎖計画を延期すべきとの考えが示された。
需給調整可能な発電施設では、電力システムの必要性に応じ供給量を増減できる。
また31─50年の期間については、原子力や再生可能エネルギー、クリーンガスなどさまざまな電力源で電力供給の安全保障を確保していくとしている。
計画書は「31─50年は、今後約10年で必要となる大量の発電容量に対応した大規模な発電所新設計画が必要になる」としている。
南アはかつて、大気汚染の原因となる火力発電からのエネルギー移行を目指すモデル国家とされていた。
しかし電力危機の悪化を受け政府は再考を迫られた。電力供給を維持するため、老朽化した石炭発電所の閉鎖を延期する可能性が高まっている。