[25日 ロイター] - ゴールドマン・サックスは、2024年のコモディティー(商品)投資について強気見通しを維持した。商品相場は年初来9%のリターンをあげており、需要に対する景気循環的あるいは構造的な支持と地政学的リスクを背景に年末までにリターンは15%まで増加すると予想されている。
同社は、S&P・GSCI商品指数に含まれるエネルギーや工業用金属(ニッケル・亜鉛を除く)などの特定セクターの2024年のリターンを20%と予想した。
先進国・新興市場国の経済指標により、今年の商品相場が景気循環要因で支えられるとの見方は強まったと指摘。今年6月以降の欧米での利下げが、特に銅、アルミニウム、石油製品などの商品需要と価格をさらに下支えすると見ている。
また、堅調なグリーンメタル需要や石油製品マージンに示されるように商品相場が構造的に支えられる状況は変わっていない。
紅海の物流障害やロシアの石油精製施設への攻撃に見られるように、地政学ヘッジとしての商品投資の役割はまだ残っている。
特に、今年後半以降に不足状態になる銅がゴールドマンの強気見通しを裏付けている。
一方、同社は米国の天然ガス、リチウム、ニッケル、亜鉛などの商品については弱気な見方を示した。工業用金属の中で、最も弱気なファンダメンタルズを持つ分野は引き続き電池材料だとした。
12カ月ベースで、コバルト、ニッケル、炭酸リチウムの下落幅をそれぞれ9%、13%、27%と見込んだ。