[15日 ロイター] - 中東地域における地政学的リスクの高まりを受け、複数の金融機関が原油価格見通しを引き上げた。
シティは15日、短期原油価格予想を1バレル=80ドルから88ドルに上方修正した。ただ、現在の市場はイランとイスラエルの全面衝突に発展すれば、1バレル=100ドル以上に上昇する可能性があることを織り込んでいないとの見方を示した。
ソシエテ・ジェネラルは、第2・四半期の北海ブレント先物と米WTI先物の価格見通しをそれぞれ91ドル、87.5ドルに引き上げた。今年の平均価格見通しはそれぞれ1バレル=86.8ドル、83.3ドルとした。米国とイランによる直接的な軍事行動の開始は依然テールリスクとみているが、その可能性は5%から15%に高まっており、その場合、原油価格は「140ドルを容易に超える」とした。
一方、JPモルガンは、原油の見通しはイランからの攻撃に対するイスラエルの軍事的対応に左右されるとし、「地政学に起因する短期的な急騰があっても、われわれのブレント原油価格見通しの基本シナリオは、5月まで依然として90ドルだ」とした。