[ワシントン 2日 ロイター] - 米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2日、ロシアが北朝鮮に対し、国連安全保障理事会の制裁に違反するとみられる規模の石油精製品を密かに輸出していると明らかにした。対応に向け、新たな制裁を科す可能性も示唆した。
1日には、対北朝鮮制裁の履行状況の調査に当たってきた安保理の専門家パネルが解散。ロシアがパネルの任期延長に拒否権を発動したことが背景にある。
カービー氏は記者団に対し「ロシアが専門家パネルの任期延長を拒否すると同時に北朝鮮に石油精製品を輸出していた」と語った。3月だけでも、16万5000バレル超の石油精製品を輸出したとみられるという。
安保理の制裁決議の下、北朝鮮の石油精製品の輸入上限は年間50万バレルに定められている。
カービー氏は、米国は「ロシアと北朝鮮間の武器や石油精製品の移転に関与する者に対し」制裁を継続すると強調。制裁に際しては、パートナー国との調整を続けるとも述べた。
ロシアと北朝鮮の国連代表部からコメントは得られていない。
また、北朝鮮はロシアに武器を供与しているもよう。国連制裁監視団によると、ウクライナ東部に今年1月着弾したミサイルの破片を調査したところ、北朝鮮製の弾道ミサイルだった可能性が確認された。