■今後の見通し
(1) 2016年3月期見通し
あらた (T:2733)の2016年3月期の連結業績は売上高が前期比1.8%増の650,000百万円、営業利益が同99.1%増の4,900百万円、経常利益が同102.5%増の5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同131.2%増の2,600百万円と前回8月の修正計画を再度上方修正している。
ただ、これは上期業績の上積み分をほぼスライドさせたものとなっており、下期の計画については売上高、利益ともにほぼ期初計画どおりの数字で置いている(正確に言えば、業績連動型の賞与について期初計画よりも下期に約3億円積み増す予定としており、下期だけで見れば営業利益は期初計画から約3億円引き下げている)。
このため、下期だけで見ると売上高は前年同期比で3.9%減となり、かなり保守的な予想になっていることがわかる。
会社側では下期の市場環境について不透明感が強いとして、計画を見直していないが、10月以降も売上げ状況は順調に推移しており、今後市場環境が急速に変化しない限りは、業績は計画を上回る可能性が高いと弊社ではみている。
(2)下期の事業戦略について 同社では下期の事業戦略について、本業の深耕とともに「成長の種」を将来へ向けて蒔く時期として位置付けており、新商品・サービスや新市場に向けた取り組みを強化していく方針だ。
新商品・サービスとしては、自社企画開発のPB商品「アドグッド」の強化を進めていく。
日用品や雑貨品など幅広いカテゴリーで320アイテムの商品を開発していく計画で、売上高は前期比2.3倍増となる6,000百万円を見込んでいる。
自社開発品のため総利益率も高く、収益性向上に寄与することが期待される。
海外事業ではタイの合弁会社で大手ドラッグストア向けを中心に卸販売を展開しているほか、DHC化粧品の総代理店として、現地に展開している日系小売企業やローカル企業向けに販売提案を行っているが、今後はDHC化粧品以外の商材も拡充していくことを検討している。
また、合弁相手先であるサハグループのネットワークを活用して、「アドグッド」商品をタイで製造し日本に輸入するなど、サハグループが持つ物流、販売機能などを活用した事業連携も強化していく考えだ。
中国での従来の事業に関しては規模を縮小している。
取扱商品は従来のように総合的に扱うのではなく、ペット用品を中心に絞り、取引先も大手チェーンを中心にして、効率性を重視した経営を行う方針に切り替えている。
このため、当面はジャペル香港子会社との連携を強化していく方向となる。
一方、インバウンド消費の拡大により、越境EC事業の取り組みを開始している。
中国国内のマーケットプレイス上で日本製品の販売を行いたいとするローカル企業から、同社を通じて仕入を希望する問い合わせが増えてきており、こうした企業に対して卸販売を行っている。
まだ、取扱い規模は小さいものの、越境EC市場については中国だけでなくその他の地域でも今後伸びていく可能性があるだけに、その動向は注目されよう。
その他、同社の商品販売情報を収集・分析して、取引先メーカー向けに価値ある情報として提供するサービスも今下期より予定している。
一方、コスト低減施策としては引き続き間接業務における生産性向上に向けた取り組みを実施していくほか、物流コストの低減も進めていく。
今期は首都圏に複数ある紙製品の物流拠点や返品業務(小売店から返品された商品をメーカーごとに仕分けて配送する業務)の拠点について、集約化していく予定となっており、2017年3月期にその効果が出てくる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
ただ、これは上期業績の上積み分をほぼスライドさせたものとなっており、下期の計画については売上高、利益ともにほぼ期初計画どおりの数字で置いている(正確に言えば、業績連動型の賞与について期初計画よりも下期に約3億円積み増す予定としており、下期だけで見れば営業利益は期初計画から約3億円引き下げている)。
このため、下期だけで見ると売上高は前年同期比で3.9%減となり、かなり保守的な予想になっていることがわかる。
会社側では下期の市場環境について不透明感が強いとして、計画を見直していないが、10月以降も売上げ状況は順調に推移しており、今後市場環境が急速に変化しない限りは、業績は計画を上回る可能性が高いと弊社ではみている。
(2)下期の事業戦略について 同社では下期の事業戦略について、本業の深耕とともに「成長の種」を将来へ向けて蒔く時期として位置付けており、新商品・サービスや新市場に向けた取り組みを強化していく方針だ。
新商品・サービスとしては、自社企画開発のPB商品「アドグッド」の強化を進めていく。
日用品や雑貨品など幅広いカテゴリーで320アイテムの商品を開発していく計画で、売上高は前期比2.3倍増となる6,000百万円を見込んでいる。
自社開発品のため総利益率も高く、収益性向上に寄与することが期待される。
海外事業ではタイの合弁会社で大手ドラッグストア向けを中心に卸販売を展開しているほか、DHC化粧品の総代理店として、現地に展開している日系小売企業やローカル企業向けに販売提案を行っているが、今後はDHC化粧品以外の商材も拡充していくことを検討している。
また、合弁相手先であるサハグループのネットワークを活用して、「アドグッド」商品をタイで製造し日本に輸入するなど、サハグループが持つ物流、販売機能などを活用した事業連携も強化していく考えだ。
中国での従来の事業に関しては規模を縮小している。
取扱商品は従来のように総合的に扱うのではなく、ペット用品を中心に絞り、取引先も大手チェーンを中心にして、効率性を重視した経営を行う方針に切り替えている。
このため、当面はジャペル香港子会社との連携を強化していく方向となる。
一方、インバウンド消費の拡大により、越境EC事業の取り組みを開始している。
中国国内のマーケットプレイス上で日本製品の販売を行いたいとするローカル企業から、同社を通じて仕入を希望する問い合わせが増えてきており、こうした企業に対して卸販売を行っている。
まだ、取扱い規模は小さいものの、越境EC市場については中国だけでなくその他の地域でも今後伸びていく可能性があるだけに、その動向は注目されよう。
その他、同社の商品販売情報を収集・分析して、取引先メーカー向けに価値ある情報として提供するサービスも今下期より予定している。
一方、コスト低減施策としては引き続き間接業務における生産性向上に向けた取り組みを実施していくほか、物流コストの低減も進めていく。
今期は首都圏に複数ある紙製品の物流拠点や返品業務(小売店から返品された商品をメーカーごとに仕分けて配送する業務)の拠点について、集約化していく予定となっており、2017年3月期にその効果が出てくる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)