(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は4日、ウォール街の銀行資本規制の画期的な改革を公表した。「ストレス資本バッファー」ルールは、2008年の金融危機の後にFRBがストレステスト(健全性審査)を開始して以来、金融機関を悩ませてきた負担の軽減を意図している。
この改革により、ストレステストのプレッシャーと危機後の資本規制の要件の間にある長年のギャップが埋まる。銀行は必要な金融クッションの規模を決めるための2つの異なる制度と格闘する代わりに、新しいバッファーを日々の資本要件に追加して組み合わせる。新バッファーはストレステストて提示されたシナリオに基づく銀行の仮想損失がベース。
新ルールは最低資本金の増額を意味する可能性があり、FRBは米国の大手8行が過去7年に平均で460億ドル(4兆9500億円)の上積みが求められていただろうと指摘。その一方で、ストレステストの結果評価に以前に使用されたレバレッジ上限の廃止によりストレステストの負担がさらに軽減される。危機時の配当支払いの想定額も減らす。
FRBはこのルールで銀行の資本測定の数が減り、大手銀行は「単一の将来を見据えたリスクに敏感な資本枠組みの下に置かれる」と説明した。
これに対しブレイナードFRB理事は、今回の改革は「大手銀行が資本バッファーを大幅に削減することを認める」結果になると指摘し、景気サイクルのこの段階での資本規制緩和は「軽率」だとして反対を表明した。
FRBによると、新ルールは2カ月後に実施され、2020年ストレステストに適用される。
原題:Fed Revises Bank Capital Rules, Draws Brainard Rebuke Over Risks(抜粋)
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