(決算速報)
マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は、11月14日に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。前年同期の収益不動産売却益の反動、第2四半期に予定していた投資案件計上の期ズレなどで減益だったが、通期大幅増益予想を据え置いた。期ズレとなった案件も含めて下期に複数の投資案件の計上を予定している。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げて底放れの動きを強めている。第2四半期累計業績に対する反応もポジティブだった。出直りを期待したい。
■23年3月期2Q累計が期ズレで減益だが通期大幅増益予想据え置き
23年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比30.1%減の13億86百万円、営業利益が57.7%減の1億39百万円、経常利益が66.5%減の96百万円、親会社株主帰属四半期純利益が62.5%減の79百万円だった。前年同期の収益不動産売却益の反動、第2四半期に予定していた投資案件計上の期ズレなどで減益だった。この要因を除けば概ね順調だった。
マーチャント・バンキング事業は売上高が35.6%減の10億69百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が49.3%減の2億41百万円だった。千葉県成田市の販売用不動産の売却に加えて、賃貸用不動産から得られる賃貸収入が安定的に推移したが、前年同期の国内および海外企業からの投資収益、収益不動産の一部売却の反動で減益だった。
オペレーション事業は売上高が2.0%減の3億31百万円、利益が19百万円の赤字(前年同期は30百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響で減収・赤字だが、行動制限の緩和によって各事業の業績は持ち直し傾向となっている。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億11百万円で営業利益が25百万円の赤字、第2四半期は売上高が10億75百万円で営業利益が1億64百万円の黒字だった。
通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比1.1%増の27億50百万円、営業利益が49.2%増の5億円、経常利益が64.4%増の3億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.3倍の2億30百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の2円(期末一括)としている。
事業環境として、コロナ禍の影響が和らいで下期以降に経済活動の回復を見込んでいる。そしてマーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、オペレーション事業におけるホテルオペレーション撤退などの影響を吸収して大幅増益予想としている。期ズレとなった案件も含めて下期に複数の投資案件の計上を予定(22年10月28日付で大阪市中央区の販売用不動産の決済・引渡完了、22年12月1日付でブルーポート苅田北九州空港の決済・引渡予定)している。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は底放れの動き
株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げて底放れの動きを強めている。第2四半期累計業績に対する反応もポジティブだった。出直りを期待したい。11月16日の終値は316円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円80銭で算出)は約41倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS136円39銭で算出)は約2.3倍、そして時価総額は約93億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)