18日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比131.51ポイント(0.46%)安の28461.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が63.36ポイント(0.58%)安の10784.55ポイントとそろって続落した。
売買代金は605億8700万香港ドルとなっている(17日は600億2100万香港ドル)。
米中貿易問題の不透明感が重し。
トランプ米大統領が「必要なら中国製品3250億米ドル相当に追加の関税をかける」と発言したことを受け、中国外交部の報道官は16日、「米国が関税を引き上げれば貿易交渉はさらに長引くだろう」とけん制した。
貿易摩擦の長期化で景気先行きも懸念される状況。
国際通貨基金(IMF)のエコノミストは17日、「米中などの通商摩擦が世界貿易に悪影響を与えている事実は明白」と論じ、世界の企業景況感を圧迫すると指摘した。
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)がそろって2.3%安と下げが目立った。
指数寄与度の大きい中国インターネットサービス最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)も1.8%安と売られている。
業種別では、中国の自動車が安い。
北京汽車(1958/HK)が2.4%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.0%、長城汽車(2333/HK)と広州汽車集団(2238/HK)がそろって1.6%、吉利汽車HD(175/HK)が0.8%ずつ下落した。
5Gネットワークや半導体関連の銘柄群もさえない。
中興通訊(ZTE:763/HK)が2.6%安、中国通信服務(552/HK)が1.6%安、京信通信系統HD(2342/HK)が1.1%安、中国鉄塔(788/HK)が1.0%安、華虹半導体(1347/HK)が1.6%安で引けた。
半面、食品・飲料や酒造など消費関連セクターは物色される。
中国雨潤食品集団(1068/HK)が35.1%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.7%高、中国旺旺HD(151/HK)が1.4%高、青島ビール(168/HK)が2.8%高と値を上げた。
食肉・ハム加工大手の中国雨潤食品集団に関しては、豚肉価格の先高感が引き続き手がかりになっている。
中国の農業農村部は17日の定例記者会見で、「今年下半期は豚肉の需給が一段と引き締まり、価格上昇圧力がさらに強まる」との見通しを示した。
6月の豚肉価格は前年同月比で21.1%上昇している。
米菓・飲料メーカーの中国旺旺については、ネガティブ報道の否定が買い安心感につながった。
同社は17日引け後、政府補助金の不適切な流用を指摘する一部メディアの報道に反論している。
一方、本土市場は3日続落。
主要指標の上海総合指数は、前日比1.04%安の2901.18ポイントで取引を終えた。
ハイテク株が安い。
消費関連株、海運株、自動車株、医薬品株、証券株、インフラ関連株、不動産株なども売られた。
半面、農業関連株の一角は高い。
産金株、非鉄株、銀行・保険株も一角が物色されている。
【亜州IR】