12日の香港市場は値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比239.78ポイント(0.87%)高の27823.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が76.17ポイント(0.70%)高の10884.69ポイントとそろって続伸した。
売買代金は1122億3400万香港ドルとなっている(11日は1110億1500万香港ドル)。
新型肺炎を巡る警戒感が薄らぐなか、投資家心理も上向く流れ。
重症急性呼吸器症候群(SARS)鎮圧でも活躍した鐘南山氏は11日、「新型コロナウイルス感染は2月にピークを迎え、4月ごろに収束する可能性がある」と米メディアのインタビューに答えた。
また、湖北省以外の新規感染者は3日以降、減少傾向が続いている。
中国の景気下支え策に対する期待感も続く。
中国財政部は11日、2020年の地方政府債発行枠を前倒しで割り当てると発表している。
また、国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局の局長は12日、「中国は景気が一段の減速をみせた場合、財政出動を講じる余地がある」との見解を示した。
ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.4%高、同じくカジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.8%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.4%高と上げが目立った。
セクター別では、スマートフォン(スマホ)関連が高い。
上記した舜宇光学科技のほか、高偉電子(1415/HK)が3.0%、瑞声科技HD(2018/HK)が2.2%、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が1.6%、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が1.0%ずつ上昇した。
自動車セクターもしっかり。
広州汽車集団(2238/HK)が5.2%高、東風汽車集団(489/HK)が4.0%高、長城汽車(2333/HK)が2.7%高、吉利汽車HD(175/HK)が1.7%高で引けた。
民間自動車メーカーの吉利汽車については、同一グループ企業のボルボ・カーと合併に向けた初歩的な検討に入ったと報告したことが引き続き支援材料。
業容拡大の期待が高まっている。
太陽光発電の関連銘柄も急伸。
中国興業太陽能技術HD(750/HK)が30.4%高、陽光能源HD(757/HK)が11.0%高、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が10.1%高と値を上げた。
「中国当局は太陽光など新エネルギー分野に対する補助金拡大を決定した」などと伝えられている。
他の個別株動向では、ニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が12.5%高と急反発。
通期決算の黒字転換見通しが好感されている。
このほか非鉄関連では、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が15.1%値上がりした。
一方、本土市場は7日続伸。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.87%高の2926.90ポイントで取引を終えた。
ハイテク株が高い。
非鉄株、医薬品株、非鉄株、消費関連株、食品飲料株、インフラ関連株、不動産株、金融株など幅広く買われた。
【亜州IR】