[サラエボ 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は30日、EU加盟を目指しているバルカン半島西側に位置する6カ国に対し、60億ユーロを投じて必要な改革を支援する計画を表明した。
対象となる北マケドニア、アルバニア、コソボ、セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナについて、いずれもEU拡大の流れに参加する「機会の窓」をつかみ、経済社会水準でEU加盟国と足並みをそろえるべきだと述べた。
支援計画には、モノやサービスの自由な移動、輸送、エネルギーといった分野で西バルカン諸国にEU市場を開放する取り組みや、これらの国が地域共通市場を創設して求められる改革を実行するのを後押しすることなどが盛り込まれている。
例えば北マケドニアがEU加盟条件を整えるには、ビジネス環境の改革や、効率的な行政の導入、健全な財政基盤、汚職対策などが不可欠。EU加盟国のブルガリアが要求している、北マケドニア国内のブルガリア人を少数民族と正式に認定するための憲法改正も必要になる。
フォンデアライエン氏は、EUは西バルカン諸国向けにミクロ金融関連支援で1億ユーロの拠出を始める態勢が整っていたが、これらの国の所得水準がEU平均のおよそ42%程度にとどまっている現状を踏まえると、経済格差縮小のために「われわれがもっと多くのことを実行しなければならない」と強調。EUと西バルカン諸国が一体となり、今後10年で経済規模を2倍にすることを目標にしていくと付け加えた。