■決算動向
(2)セグメント別動向
a)明光義塾直営事業
明光義塾直営事業の売上高は前期比1.9%減の10,123百万円、セグメント利益は同26.4%減の1,331百万円となった。
このうち、明光ネットワークジャパン (T:4668)直営事業の売上高は前期比2.2%減の7,037百万円、営業利益は同23.1%減の1,185百万円となり、子会社の(株)MAXISエデュケーション(以下、MAXIS)の売上高は同1.3%減の3,085百万円、営業利益は同29.5%減の146百万円となった。
なお、MAXISののれん償却額は143百万円となっている。
8月末時点の教室数はFCオーナーからの譲渡もあって、前期末比10教室増加の323教室と増加した。
生徒・保護者とのコミュニケーションの充実による顧客満足度の向上や、より安全で通いやすい教室をつくるための環境整備に取り組んだほか、新サービスとして中学生を対象とした理科・社会のオンライン学習サービスを全教室で導入するなど売上高の増加に取り組んだが、生徒1人当たり売上高が低下し、減収要因となった。
また、セグメント利益は減収要因に加えて、講師募集費や講師給与増による労務コストの増加等が影響して2ケタ減益となった。
b)明光義塾フランチャイズ事業
明光義塾フランチャイズ事業の売上高は前期比7.0%減の5,597百万円、セグメント利益は同28.7%減の2,147百万円となった。
8月末の教室数は前期末比45教室減少の1,779教室(MAXIS直営教室除く)、期中平均生徒数は前期比5.3%減の105,473名となった。
生徒数の減少については不採算教室の閉鎖を含むスクラップ&ビルドを進めたことや、新規生徒獲得に向けた募集活動が十分できなかったことが要因となっている。
c)予備校事業
連結子会社の(株)東京医進学院による予備校事業は、売上高が前期比7.7%増の689百万円、セグメント利益が同54.4%増の113百万円となり、2009年に子会社化して以降、2期連続で最高業績を更新した。
期中平均生徒数はほぼ前期並みとなったものの、夏期・冬期講習等が好調に推移し、生徒1人当たり売上高が増加した。
利益面では増収効果に加えて、3月に横浜校を閉鎖し3校体制にしたことによるコスト削減効果も寄与した。
校舎数が減少した影響で、8月末時点の生徒数は前期末比14名減の138名と減少しているが、2016年春の合格者実績数、合格率も前年度を上回るなど高い実績を挙げていることから、今後の生徒数増加が期待される。
d)その他事業
その他事業の売上高は前期比26.4%増の2,260百万円、セグメント損失は178百万円(前期は90百万円の損失)となった。
事業別の動向を見ると、早稲田アカデミー個別進学館は売上高が前年同期比57百万円増の355百万円、営業損失が52百万円(前期は32百万円の損失)となった。
8月末の校舎数は前年同期比で2校増(同社直営2校増、MAXIS直営1校増、FC1校減)の30校(同社直営7校、MAXIS直営4校、早稲田アカデミー直営10校、FC9校)となり、在籍生徒数は全校舎で前年同期比17.4%増の2,355名となった。
1教室当たり平均生徒数についても前年同期の71.6名から78.5名と順調に増加している。
2016年春の大学合格者実績数においてGMARCH※以上で個別指導学習塾の中でトップの合格実績を出したほか、中学・高校受験でも難関校での合格者実績が増え始めるなど、難関校受験対策向け個別指導学習塾としての認知度向上が進んだことが、生徒数及び売上高の増加につながっている。
営業利益に関しては、同社直営校の増加に伴う労務費や経費増等が影響して、損失額が若干拡大する格好となった。
※学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政大学の頭文字を取ったもの。
キッズ事業については、売上高が前期比55百万円増の179百万円となった。
利益面では開校して間もないスクールが大半を占めるため、まだ損失が続いているが、1校目は既に安定して利益を生み出せる状態になっており、学童保育のニーズは旺盛なことから早晩事業全体での黒字化が見込まれる。
スクール数は7校体制となっている。
また、幼稚園の課外授業や私立小学校のアフタースクールの運営受託も6施設で行っており、在籍スクール生は全体で前期末比87名増の608名となった。
明光サッカースクールは売上高が前期比7百万円増の147百万円、営業損失が6百万円(前年同期は10百万円の損失)となった。
8月末のスクール数は前年同期比横ばいの16校(うちFC1校)、生徒数は同16名減の971名となった。
コーチ・スタッフの研修強化や運営体制の見直し等により指導力の向上に取り組んでいるほか、お客様満足度調査を実施し、クラス構成の見直しやスクール環境の改善などを図っている。
当面はスクール当たり生徒数の増加に注力していく方針で、早期の黒字化を目指している。
連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する日本語学校「早稲田EDU日本語学校」(1校)については、中国やベトナム等からの留学生増加を受けて、売上高が前期比89百万円増の294百万円となった。
2015年8月期の第2四半期から子会社化しており、同期間(第2〜4四半期)比較で見れば14百万円の増収となっている。
8月末の在籍生徒数は前期末比26名増の461名となっているが、定員数を520名から600名に拡大しており、10月の入学申込み者数を含めると、直近ではほぼ600名に近い生徒数に達する見込みとなっている。
第4四半期より連結対象とした国際人材開発(株)が運営する日本語学校「JCLI日本語学校」(3校)については、売上高で172百万円、8月末の在籍生徒数は定員1,380名に対して919名となった。
10月の入学申込み者数を含めると直近では1,000名を超える見込みとなっている。
また、古藤事務所についても第4四半期から連結対象に加わっており、売上高で30百万円となった。
主軸の入試問題ソリューション業務において新規顧客の開拓を進めており、業績は堅調に推移している。
連結子会社のユーデックは高校過去入試問題等の書籍販売が伸び悩んだものの、進学模擬試験の販売が大手塾を中心に好調に推移したほか、学内予備校も堅調に推移するなどにより、売上高は前期比5百万円増の815百万円となった。
また、その子会社となる晃洋書房についても主軸の大学教科書の発行において新たな販売ルートの開拓など営業活動を強化した結果、近年では最高の新刊発行点数を記録するなど好調に推移し、売上高は前期比29百万円増の246百万円となった。
その他では、MAXISの明光義塾以外の事業(英語塾等)が前期比44百万円増の147百万円と好調に推移したほか、海外事業についても台湾の合弁会社で明光義塾7教室を下期にオープンしており、生徒数の状況は順調に推移しているもようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
(2)セグメント別動向
a)明光義塾直営事業
明光義塾直営事業の売上高は前期比1.9%減の10,123百万円、セグメント利益は同26.4%減の1,331百万円となった。
このうち、明光ネットワークジャパン (T:4668)直営事業の売上高は前期比2.2%減の7,037百万円、営業利益は同23.1%減の1,185百万円となり、子会社の(株)MAXISエデュケーション(以下、MAXIS)の売上高は同1.3%減の3,085百万円、営業利益は同29.5%減の146百万円となった。
なお、MAXISののれん償却額は143百万円となっている。
8月末時点の教室数はFCオーナーからの譲渡もあって、前期末比10教室増加の323教室と増加した。
生徒・保護者とのコミュニケーションの充実による顧客満足度の向上や、より安全で通いやすい教室をつくるための環境整備に取り組んだほか、新サービスとして中学生を対象とした理科・社会のオンライン学習サービスを全教室で導入するなど売上高の増加に取り組んだが、生徒1人当たり売上高が低下し、減収要因となった。
また、セグメント利益は減収要因に加えて、講師募集費や講師給与増による労務コストの増加等が影響して2ケタ減益となった。
b)明光義塾フランチャイズ事業
明光義塾フランチャイズ事業の売上高は前期比7.0%減の5,597百万円、セグメント利益は同28.7%減の2,147百万円となった。
8月末の教室数は前期末比45教室減少の1,779教室(MAXIS直営教室除く)、期中平均生徒数は前期比5.3%減の105,473名となった。
生徒数の減少については不採算教室の閉鎖を含むスクラップ&ビルドを進めたことや、新規生徒獲得に向けた募集活動が十分できなかったことが要因となっている。
c)予備校事業
連結子会社の(株)東京医進学院による予備校事業は、売上高が前期比7.7%増の689百万円、セグメント利益が同54.4%増の113百万円となり、2009年に子会社化して以降、2期連続で最高業績を更新した。
期中平均生徒数はほぼ前期並みとなったものの、夏期・冬期講習等が好調に推移し、生徒1人当たり売上高が増加した。
利益面では増収効果に加えて、3月に横浜校を閉鎖し3校体制にしたことによるコスト削減効果も寄与した。
校舎数が減少した影響で、8月末時点の生徒数は前期末比14名減の138名と減少しているが、2016年春の合格者実績数、合格率も前年度を上回るなど高い実績を挙げていることから、今後の生徒数増加が期待される。
d)その他事業
その他事業の売上高は前期比26.4%増の2,260百万円、セグメント損失は178百万円(前期は90百万円の損失)となった。
事業別の動向を見ると、早稲田アカデミー個別進学館は売上高が前年同期比57百万円増の355百万円、営業損失が52百万円(前期は32百万円の損失)となった。
8月末の校舎数は前年同期比で2校増(同社直営2校増、MAXIS直営1校増、FC1校減)の30校(同社直営7校、MAXIS直営4校、早稲田アカデミー直営10校、FC9校)となり、在籍生徒数は全校舎で前年同期比17.4%増の2,355名となった。
1教室当たり平均生徒数についても前年同期の71.6名から78.5名と順調に増加している。
2016年春の大学合格者実績数においてGMARCH※以上で個別指導学習塾の中でトップの合格実績を出したほか、中学・高校受験でも難関校での合格者実績が増え始めるなど、難関校受験対策向け個別指導学習塾としての認知度向上が進んだことが、生徒数及び売上高の増加につながっている。
営業利益に関しては、同社直営校の増加に伴う労務費や経費増等が影響して、損失額が若干拡大する格好となった。
※学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政大学の頭文字を取ったもの。
キッズ事業については、売上高が前期比55百万円増の179百万円となった。
利益面では開校して間もないスクールが大半を占めるため、まだ損失が続いているが、1校目は既に安定して利益を生み出せる状態になっており、学童保育のニーズは旺盛なことから早晩事業全体での黒字化が見込まれる。
スクール数は7校体制となっている。
また、幼稚園の課外授業や私立小学校のアフタースクールの運営受託も6施設で行っており、在籍スクール生は全体で前期末比87名増の608名となった。
明光サッカースクールは売上高が前期比7百万円増の147百万円、営業損失が6百万円(前年同期は10百万円の損失)となった。
8月末のスクール数は前年同期比横ばいの16校(うちFC1校)、生徒数は同16名減の971名となった。
コーチ・スタッフの研修強化や運営体制の見直し等により指導力の向上に取り組んでいるほか、お客様満足度調査を実施し、クラス構成の見直しやスクール環境の改善などを図っている。
当面はスクール当たり生徒数の増加に注力していく方針で、早期の黒字化を目指している。
連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する日本語学校「早稲田EDU日本語学校」(1校)については、中国やベトナム等からの留学生増加を受けて、売上高が前期比89百万円増の294百万円となった。
2015年8月期の第2四半期から子会社化しており、同期間(第2〜4四半期)比較で見れば14百万円の増収となっている。
8月末の在籍生徒数は前期末比26名増の461名となっているが、定員数を520名から600名に拡大しており、10月の入学申込み者数を含めると、直近ではほぼ600名に近い生徒数に達する見込みとなっている。
第4四半期より連結対象とした国際人材開発(株)が運営する日本語学校「JCLI日本語学校」(3校)については、売上高で172百万円、8月末の在籍生徒数は定員1,380名に対して919名となった。
10月の入学申込み者数を含めると直近では1,000名を超える見込みとなっている。
また、古藤事務所についても第4四半期から連結対象に加わっており、売上高で30百万円となった。
主軸の入試問題ソリューション業務において新規顧客の開拓を進めており、業績は堅調に推移している。
連結子会社のユーデックは高校過去入試問題等の書籍販売が伸び悩んだものの、進学模擬試験の販売が大手塾を中心に好調に推移したほか、学内予備校も堅調に推移するなどにより、売上高は前期比5百万円増の815百万円となった。
また、その子会社となる晃洋書房についても主軸の大学教科書の発行において新たな販売ルートの開拓など営業活動を強化した結果、近年では最高の新刊発行点数を記録するなど好調に推移し、売上高は前期比29百万円増の246百万円となった。
その他では、MAXISの明光義塾以外の事業(英語塾等)が前期比44百万円増の147百万円と好調に推移したほか、海外事業についても台湾の合弁会社で明光義塾7教室を下期にオープンしており、生徒数の状況は順調に推移しているもようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)