[オタワ 19日 ロイター] - カナダのトルドー首相は19日、顔を茶色く塗る差別的な仮装をした過去の写真が報じられたことを巡り、あらためて謝罪するとともに、10月21日の総選挙での再選を目指して戦いを続けると表明した。
トルドー首相は人種間の平等や多様性を重んじる姿勢を打ち出してきた。
しかし、タイム誌は18日、同氏が私立学校教師だった2001年に「アラビアンナイト」をテーマにした学校行事で顔を茶色く塗る仮装をした写真を報道した。
その後、高校時代などに顔を茶色く塗った写真や動画なども新たに報じられている。
首相は記者団に対し「多くの人を失望させた。反省し、許しを請いたい」と述べた。
これより先、首相は総選挙に出馬する自由党の候補者全員による電話会議を行った。会議に参加した1人によると、首相は、人種差別や偏見の受け手の痛みを理解すべく引き続き力を合わせるよう呼びかけたという。
自由党は今回の選挙で苦戦を強いられているが、同党は伝統的に移民の支持を集めてきたことから、写真が明るみに出たことで岐路に立たされる可能性もある。
世論調査会社EKOSリサーチのトップ、フランク・グレーブス氏は「大きな痛手であるのは間違いない。影響が完全に判明するには1週間程度かかるだろう」とした上で、「致命的になるとは思わないが、時間が経たなければ分からない」と述べた。