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アーバネット Research Memo(9):これまでの拡大路線から安定路線へ軟着陸するシナリオも視野

発行済 2017-04-03 15:38
更新済 2017-04-03 16:00
アーバネット Research Memo(9):これまでの拡大路線から安定路線へ軟着陸するシナリオも視野
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■アーバネットコーポレーション (T:3242)の業績見通し

2. 2018年6月期業績の考え方
都心における用地取得は厳しさを増しているが、2018年6月期の販売予定分として既に560戸※1を確保しており、依然として販売戸数は高い水準が維持される見通しである。
ただし、ピークとなった2016年6月期の販売戸数(662戸)からは2期連続で減少となる可能性が高い。
また、利益面でも、ここ数年、試行的に取り組んできた1棟一括直接販売が一旦下火となることにより売上総利益率も過去の水準(18%~19%前後)に戻る可能性が想定される。
これは不動産市況にやや過熱感が見られるなかで、販売会社への早期売却※2を進めることにより価格変動リスクを回避する方針転換を反映したものであり、そうなることで、これまで取り組んできた国内外法人向けの1棟一括直接販売は、しばらくトーンダウンするものと考えられる。


※1 着工遅れ等の影響により当初計画609戸から下方修正した水準。

※2 直接販売の場合は、竣工後の契約が一般的である。


弊社では、2018年6月期以降の業績について、超低金利政策や相続税課税強化などを背景とした個人投資家の根強い需要が続いているものの、2020年の東京オリンピックに向けて都心における不動産市況にやや過熱感がみられることに加え、足元では為替や株式など金融市場に不安定な動きがあること、さらには将来的に起こり得る循環的な景気変動の影響等を勘案して、これまでの積極的な拡大路線から安定路線へと軟着陸するシナリオも念頭に置く必要があるとみている。
したがって、当面についての関心は、2018年6月期以降の用地取得の状況に加えて、いかに成長スピードを巡航水準に落ち着かせながら、高いレベルで業績の安定化を図っていくのかにある。
と同時に、財務的な体力の充実している今のうちに、次の展開に向けた準備を行っていくことが肝要となるだろう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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