日経平均<.N225>
前場終値 9681.58 +103.27
寄り付き 9668.01
安値/高値 9657.67─9703.41
出来高(万株) 75470
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[東京 28日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は反発した。27日の
米株高を引き継ぎ序盤から買いが先行。円高一服感を背景に輸出株が買われたほか、金融
株も堅調に推移した。海外勢による主力株買いやTOPIX先物買いなども指摘され、日
経平均は一時9700円台を回復。ただギリシャ緊縮財政策の通過待ちとの見方から上値
には慎重で、積極的な買いは手控えられた。
東証1部騰落数は、値上がり1206銘柄に対し値下がり308銘柄、変わらずが14
7銘柄だった。東証1部売買代金は4466億円。
27日の米国株式相場は反発。バーゼル銀行監督委員会の首脳グループが合意したシス
テム上重要な銀行に対する自己資本の上乗せ基準が予想ほど厳しい内容にならなかったこ
とや、ギリシャの財政緊縮計画をめぐる楽観的な見方などが支援材料となり、銀行株主導
で上昇した。東京市場では米株高を背景に序盤から買いが先行した。
外資系証券トレーダーによれば、アジア勢や欧州勢など外国人投資家による主力株へ資
金流入が観測されるという。TOPIX先物への買いや6月末を前にドレッシング買いが
入りやすいとの指摘もあった。外為市場での円高一服感を受け自動車やハイテクなど輸出
関連株が堅調だったほか、金融株など主力銘柄中心に物色され、日経平均は6月1日以来
約4週間ぶりに9700円台を回復する場面があった。
ただ今週にギリシャの緊縮財政計画の議会採決を控えるうえ、米景気減速に対する警戒
感などが意識され上値買いは手控えられた。市場では「ギリシャの緊縮財政策は議会を通
過するとの見方が有力だが、万一否決となった場合は追加の金融支援が難しくなり、世界
の金融市場が混乱する可能性もある。法案の通過を見極めたいとのムードが強い」(大手
証券)との声が出ていた。
個別銘柄では日本精工<6471.T>が3日ぶりに反発。同社は27日、未定としていた
2012年3月期業績予想を公表した。連結売上高は前期比2.7%増の7300億円、
連結営業利益は同14.8%増の500億円と増収増益を見込んでいることが好感された。
半面、住友精密工業<6355.T>が急落。同社は27日、英子会社のSSPプロセス・テク
ノロジー・システムと住精プロセステクノロジーの全株式を売却すると発表した。売却に
よる収益力の低下を懸念した売りが先行した。
(ロイターニュース 杉山容俊)