9日の香港市場は値上がり。
主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比198.28ポイント(0.75%)高の26502.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が78.73ポイント(0.76%)高の10488.32ポイントとそろって3日ぶりに反発した。
売買代金は1366億1000万香港ドルとなっている(8日は1354億1800万香港ドル)。
世界景気の回復が期待される流れ。
新型コロナウイルスのワクチン普及で、経済活動が早期に正常化する——との見方が広がった。
英国では8日、米ファイザーがドイツ製薬会社と共同開発したワクチンの接種が欧米各国の先陣を切って開始される。
米国では、週内にも接種が開始される見通し。
また、香港の陳茂波(ポール・チャン)財政長官が7日、「香港経済は2021年下半期に回復する見込み」と語ったことも改めて材料視されている。
(亜州リサーチ編集部)ハンセン指数の構成銘柄では、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.8%高、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が3.7%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.2%高と上げが目立った。
小米は11月に付けた上場来高値に接近している。
セクター別では、石炭や天然ガスのエネルギー関連が高い。
中国中煤能源(1898/HK)が3.1%、エン州煤業(1171/HK)が1.6%、中国神華能源(1088/HK)が1.5%、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が2.0%、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が1.9%ずつ上昇した。
石炭株については、市況高も刺激。
9日の中心限月(2021年1月限「ZC2101」)市況は、鄭州商品交易所で前日比4.00%上昇してストップ高の水準に達した。
中心限月として2018年2月以来の高値を更新している。
他の個別株動向では、前日に新規上場したオンライン医療サービスの京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が2.0%高と続伸(8日は公募比55.9%高で終了)。
電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)傘下の同社に関しては、指数算出会社のMSCIが8日、グローバル・インデックスへの組み入れを発表。
FTSEもこれに続くとみられるほか、ハンセン科技指数への組み入れも有力視されている。
オンライン健康管理の銘柄に買いが波及し、オンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が4.6%高と値を上げた。
半面、半導体や通信設備・工事の銘柄群はさえない。
華虹半導体(1347/HK)が6.8%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.7%安、京信通信系統HD(2342/HK)が3.7%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が1.9%安、中国通信服務(552/HK)が1.8%安と値を下げた。
一方、本土市場は3日続落。
主要指標の上海総合指数は、前日比1.12%安の3371.96ポイントで取引を終えた。
消費関連株が安い。
自動車株、運輸株、医薬品株、不動産株、素材株、インフラ関連株、金融株なども売られた。
亜州リサーチ(株)