新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済が直撃を受けた2020年は、東南アジアの主要国タイでもその影を色濃く落としている。20会計年度(19年10月~20年9月)の税収は当初見通しを約14%下回り、約1兆8300億バーツ(約6兆2952億円)と国庫を直撃。20年通年の国内総生産(GDP)成長率予測も、最悪期からは持ち直したものの前年比マイナス7~8%とリーマン・ショック以来の下落幅となっている。失業者は250万人を超え、主要産業である観光業は壊滅状態に陥った。加えて状況を悪化させているのが、コロナ禍にあっても激しさを増す反政府・反王室のデモだ。