ドル/円
午後3時現在 80.67/71 1.4471/74 116.77/81
正午現在 80.72/76 1.4483/88 116.89/94
午前9時現在 80.87/90 1.4485/89 117.16/19
NY17時現在 80.90/92 1.4489/93 117.21/25
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[東京 3日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に
比べ20銭ほど安い80円後半。弱い結果が予想される米雇用統計を意識して午前中はじ
り安となったが、午後に入るとこう着感を強め、80.70円を軸にもみ合った。ユーロ
はギリシャ問題に対する懸念後退で高値もみ合いになったが、利益確定売りに頭を抑えら
れた。
新規失業保険申請件数などさえない米経済指標を受けたドル売りの流れはアジア時間に
入ると一服し、ドル/円は81円台まで買い戻された。しかし、この日発表される5月米
雇用統計が弱い数字になるとの思惑が広がり、再び80.60円台まで下落した。81円
付近の上値の重さが意識されたことに加え、「ポジションは若干ドルショートだが、米雇
用統計をにらんでもう少しショートに傾けていいというムードになっている」(邦銀)と
の声が聞かれた。
一方、下値は輸入企業や個人のドル買いが支えた。「80円半ばに買いが入っているた
め、ドル/円の下値余地は限られる」(国内銀行)との指摘があった。午後に入ると市場
は雇用統計の発表を待つムードが強まり、小動きになった。
ロイターの調査では、5月米雇用統計で非農業部門雇用者数の増加数は15万人と見込
まれている。ただ、「市場の目線は10万人増程度まで下がっている」(国内銀行)との
声が聞かれ、雇用統計の弱さはかなりの程度織り込み済み。「雇用統計単体への反応は、
予想を上回った場合の方が大きそうだ」(国内金融機関)との声も出ていた。
ユーロ/ドルはアジア時間に入って1.4518ドルまで買われ、1カ月ぶり高値を更
新した。ドルが売られたうえ、ギリシャ問題をめぐる情報が手掛かりになった。関係筋に
よると、ユーロ圏17カ国の副大臣や高官からなる経済金融委員会がウィーンで協議を行
い、昨年5月に合意した1100億ユーロ(1600億ドル)規模の対ギリシャ支援策の
事実上の代替案について大筋合意した。支援期間は2014年半ばまでとし、当初から1
年延長する。
しかし市場からは「この枠組みでギリシャ問題が根本的に解決するとは思えず、最終的
には債務カットが必要だ。今回も時間稼ぎにすぎない」(クレディ・スイス証券チーフ通
貨ストラテジスト、深谷幸司氏)との声が出ていた。
みずほ証券のグローバルエコノミスト、林秀毅氏は「今後、ギリシャ支援の細部を詰め
る過程でドイツなどの反対も出そうで、まだ曲折はあるだろう。1.45ドル台ではいっ
たん抵抗も出そうだ」とみていた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)