■特長・強みと課題
(2)課題
キリン堂ホールディングス (T:3194)の経営における最大の課題は収益性にあると考えている。
競合するドラッグストア各社との比較においても、低い部類に属している。
これは同社自身も強く意識していることであり、中期経営計画でも最重要課題と位置付けられている。
過去の同社の売上高営業利益率の推移を見ると、2005年2月期から2016年12月期までの2期間で最も売上高営業利益率が高かったのは2008年2月期の2.2%で、それ以外は1%台での推移が続いている。
その売上高営業利益率に至る過程の分析として売上高売上総利益率と売上高販管費率を見ると、両者は緩やかに右肩上がりのトレンドとなっているため、結果的に売上高営業利益率は1%台での推移が続いているということが見て取れる。
そして、販管費の内訳を見ると人件費が販管費の約50%を占めていることがわかる。
この状況は過去においてもほぼ同じだ。
同社の店舗がセルフ販売を基本としていることを考えると、構成比としては40%程度までの改善余地があると弊社では考えている。
注目すべきは、この課題の解決についての同社の基本的スタンスだ。
上述の販管費分析を見ると、販管費を減少させる努力(人件費や販売費の削減など)が想定されるが、同社はこの方向性を明確に否定している。
同社は、売上高を拡大する一方、それに伴う費用の伸びを極力抑制して、結果として売上高営業利益率を向上させるという方向性を選択している。
すなわち、人を減らして人件費を削減するのではなく、たとえ人が増えて人件費が増大しても、それ以上に売上高を成長させて売上高人件費率を引き下げるというアプローチだ。
これは、後述する中期経営計画や今後の成長戦略及び具体的施策を理解するうえで、重要なポイントだと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
競合するドラッグストア各社との比較においても、低い部類に属している。
これは同社自身も強く意識していることであり、中期経営計画でも最重要課題と位置付けられている。
過去の同社の売上高営業利益率の推移を見ると、2005年2月期から2016年12月期までの2期間で最も売上高営業利益率が高かったのは2008年2月期の2.2%で、それ以外は1%台での推移が続いている。
その売上高営業利益率に至る過程の分析として売上高売上総利益率と売上高販管費率を見ると、両者は緩やかに右肩上がりのトレンドとなっているため、結果的に売上高営業利益率は1%台での推移が続いているということが見て取れる。
そして、販管費の内訳を見ると人件費が販管費の約50%を占めていることがわかる。
この状況は過去においてもほぼ同じだ。
同社の店舗がセルフ販売を基本としていることを考えると、構成比としては40%程度までの改善余地があると弊社では考えている。
注目すべきは、この課題の解決についての同社の基本的スタンスだ。
上述の販管費分析を見ると、販管費を減少させる努力(人件費や販売費の削減など)が想定されるが、同社はこの方向性を明確に否定している。
同社は、売上高を拡大する一方、それに伴う費用の伸びを極力抑制して、結果として売上高営業利益率を向上させるという方向性を選択している。
すなわち、人を減らして人件費を削減するのではなく、たとえ人が増えて人件費が増大しても、それ以上に売上高を成長させて売上高人件費率を引き下げるというアプローチだ。
これは、後述する中期経営計画や今後の成長戦略及び具体的施策を理解するうえで、重要なポイントだと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)