[東京 17日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(132.20/23円)から上昇し、134.08/10円で推移している。日米の金融政策の方向性の違いからドル買い/円売りが優勢となった。ただ、世界景気減速に対する懸念も根強く、ドルの上値は重かった。
日銀は16─17日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決めた。リスク要因として、金融・為替市場の動向やその経済・物価への影響を「十分注視する必要がある」と異例の言及を行う一方、10年物国債金利0.25%での指し値オペを原則毎営業日実施すると改めて表明した。
政策維持を受けてドルは一時134.64円付近まで上昇。その後声明文での為替市場に対する言及が円安けん制と受け止められ、海外勢からまとまったフローが出たとみられ、132.42円付近まで下落。その後は改めて日米金融政策の方向性の違いが意識され、134円を挟んで推移するなど、伸び悩んだ。
りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、武富龍太氏は「積極的な金融引き締めによる世界的な景気減速懸念と日本と他の主要中銀による金融政策の方向性の違いで綱引き状態となりやすい」と指摘。足元ではボラティリティーも高く、一方向に動きづらいとみる。
また、「米国の景気に対して不安も出てきている」とFXcoinの取締役、上田眞理人氏は指摘する。上田氏は「日本の経済状況は良いわけではないものの、利上げによるさらなる経済に対する打撃はないとみられ、単純にドルを買って円を売るという状況ではない」との見方を示す。
午後3時半からの黒田日銀総裁会見次第で、改めて金融緩和の姿勢が示されれば、円売り圧力が強まりやすい。市場では「米国の物価上昇がピークアウトするまでは、米連邦準備理事会(FRB)は積極的な金融引き締めが意識されやすく、日米の金融政策の方向性の違いから円安/ドル高に働きやすい」(ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏)との声が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.08/10 1.0516/20 141.02/06
午前9時現在 132.41/43 1.0545/49 139.63/67
NY午後5時 132.20/23 1.0547/51 139.42/46