■業績動向
(1) 2015年12月期業績の概要
2月12日付で発表されたカイオム・バイオサイエンス {{|0:}}の2015年12月期の業績は、売上高が280百万円、営業損失が1,269百万円となった。
前期は9ヶ月(2014年4月−12月)の変則決算であったことから、前期比の増減率は算出していない。
ちなみに、前年同期間(2014年1月−12月)の連結業績※との比較で見ると、売上高は97百万円減少し、営業損失は144百万円拡大している。
売上高の減少要因は創薬アライアンス事業の減収によるものとなっている。
※2014年1月−12月の連結業績は同社の公表値ではなく、同社の決算資料に基づきフィスコが算出した推定値。
当期のトピックスとしては、2015年5月に旧子会社のリブテック(2015年7月に吸収合併)が開発したがん幹細胞を標的とした治療用ヒト化抗体である「LIV-1205」に関して、スイスのADCT社とADC開発用途での全世界における独占的開発・販売権に関するオプションライセンス契約を締結したことが挙げられる。
「LIV-1205」は肝臓がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現する抗原(標的分子)「DLK-1」に結合し、がんの増殖活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体であり、動物モデルに対しての同抗体の単独投与試験で顕著な腫瘍増殖阻害効果が確認されている。
ADCT社は同抗体を自社のADC技術によって、さらに治療効果の高いADC抗体薬にしていくことを狙っている。
今回はオプション契約のため契約金のインパクトは大きくないが、有効性があると判断された場合は、本契約に移行していくものとみられる。
また、抗体開発が順調に進んで医薬品として販売承認を得られれば、総額で約90億円を受け取る契約となっており、上市後も一定のロイヤルティ収入を得られることになる。
また、もう1つのトピックスとして2015年10月に、北海道のバイオベンチャーである(株)イーベックに資本出資したことが挙げられる。
イーベックは2003年に北海道大学の名誉教授である高田賢蔵(たかだけんぞう)氏によって設立された会社で、ヒト体内での抗体産生を担う血液Bリンパ球から完全ヒト抗体を作製する独自プラットフォームを有している。
これまで複数の感染症領域でのリード抗体を開発しており、2011年にはアステラス製薬 (T:4503)に導出した実績を持つ。
今回の資本出資により同社は、感染症領域での研究開発考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
前期は9ヶ月(2014年4月−12月)の変則決算であったことから、前期比の増減率は算出していない。
ちなみに、前年同期間(2014年1月−12月)の連結業績※との比較で見ると、売上高は97百万円減少し、営業損失は144百万円拡大している。
売上高の減少要因は創薬アライアンス事業の減収によるものとなっている。
※2014年1月−12月の連結業績は同社の公表値ではなく、同社の決算資料に基づきフィスコが算出した推定値。
当期のトピックスとしては、2015年5月に旧子会社のリブテック(2015年7月に吸収合併)が開発したがん幹細胞を標的とした治療用ヒト化抗体である「LIV-1205」に関して、スイスのADCT社とADC開発用途での全世界における独占的開発・販売権に関するオプションライセンス契約を締結したことが挙げられる。
「LIV-1205」は肝臓がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現する抗原(標的分子)「DLK-1」に結合し、がんの増殖活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体であり、動物モデルに対しての同抗体の単独投与試験で顕著な腫瘍増殖阻害効果が確認されている。
ADCT社は同抗体を自社のADC技術によって、さらに治療効果の高いADC抗体薬にしていくことを狙っている。
今回はオプション契約のため契約金のインパクトは大きくないが、有効性があると判断された場合は、本契約に移行していくものとみられる。
また、抗体開発が順調に進んで医薬品として販売承認を得られれば、総額で約90億円を受け取る契約となっており、上市後も一定のロイヤルティ収入を得られることになる。
また、もう1つのトピックスとして2015年10月に、北海道のバイオベンチャーである(株)イーベックに資本出資したことが挙げられる。
イーベックは2003年に北海道大学の名誉教授である高田賢蔵(たかだけんぞう)氏によって設立された会社で、ヒト体内での抗体産生を担う血液Bリンパ球から完全ヒト抗体を作製する独自プラットフォームを有している。
これまで複数の感染症領域でのリード抗体を開発しており、2011年にはアステラス製薬 (T:4503)に導出した実績を持つ。
今回の資本出資により同社は、感染症領域での研究開発考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)