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再送:東京外為市場・15時=ドル一時86円前半まで軟化、8カ月ぶり安値に迫る

発行済 2010-07-22 16:00

*本文1段落目の脱字を修正して再送しました。

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 86.47/50  1.2779/80  110.50/53

正午現在   86.52/53  1.2772/75  110.50/55

午前9時現在 86.84/86  1.2759/61  110.79/84

NY17時現在 86.91/95  1.2753/55  111.02/04

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 [東京 22日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時

点から下落し、86円半ば。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が米経済の見通

しが「異例に不透明」と発言したことを受けて株価が軟化、米国債利回りが低下し、ドル

/円がジリ安となった。ドルは正午過ぎに一時86.43円と、17日につけた8カ月

ぶり安値まであと16銭に迫った。ユーロ/円も一時110.35円と2週間ぶり安値を

つけた。

 東京市場でも円高の流れは継続。「円高地合いが強まってきたことで、月末を控えて輸

出企業が売り水準を切り下げる動きが目立ってきた」(都銀)という。この日も一部の輸

出企業が、仲値公示前に86.90円付近からドル売りを始めたという。

 他方、短期筋は、きょう野村アセットマネジメントが設定した「野村グローバルCB投

信」が円高進行に歯止めをかける可能性がある」(外銀)との見方から、「若干ドル・ロ

ング気味となり、結局ドルの上値が伸びなかったのでロングの解消売りに回った」(証券

会社)という。

 先行きについてはドル安/円高の見方が広がっているが、7月半ばにつけた86.27

円を下回る水準ではオプション関連のオーダーがあり、「ガンマ・ショートになるので、

ドル売りが加速する可能性がある」(同)とされている。

 

 <85円台では介入警戒も>

 

 池田元久財務副大臣は22日午前、外為市場で円高が進んでいることについて「過度な

円高は回避したいと、われわれ(民主党)の(新成長)戦略にも書いてある」と述べた。

発言が伝わった直後、市場では小幅に円が売られたが、値動きは限定的だった。

 円売り介入の可能性について市場では、「G20でも通貨の柔軟性が取りざたされる環

境で、黒字国の日本が円売り介入する大義名分は全くないだろう。ただ、絶対に可能性が

無いわけではなく、ドルが1日に1―2円下落するようであれば、スムージングとしての

円売りは十分想定できる」(ファンドマネージャー)との見方が示されている。

 「ただ、ユーロ/スイスの相場を見ても自明だが、(スイス中銀が)不必要な介入をし

たことでスイスフランの一段高を招いている。これが相場の現実だろう」(同)として、

為替相場が中長期的には介入が目指す方向と逆方向に動く可能性も指摘されている。

 スイス国立銀行(中央銀行)は21日、上期の外貨準備の損失が140億スイスフラン

を上回ったことを明らかにした。大量のユーロ買い/スイスフラン売り介入を実施してき

たスイス中銀が外貨準備に巨額損失を抱えたことで、今後のユーロ買い介入が限られるの

ではないかとの見方が広がり、ユーロ/スイスフランは1.35スイスフラン

半ばから200ポイント近く下落。東京市場に入っても海外安値を下抜けて下落基調が続

き、一時1.33スイスフラン後半と今月13日海外以来の安値をつけた。

 

 東海東京証券のチーフエコノミスト・斎藤満氏は「日本は、ドイツや中国と同様に黒字

国責任があり、安易な円売り介入には踏み切れないだろう。一方、世界経済に陰りが広が

ればリスク投資の縮小で円回帰の円高が進みやすい」とした上で、「円高が大きく進んだ

場合には輸出依存型の景気回復が危ぶまれるため、日銀による追加緩和で円高を抑制する

ことになりそうだ」と予想している。

 住友信託銀行のマーケット・ストラテジスト・瀬良礼子氏は「日経平均が9000円を

割り込むようならドルは85円割れに向かい、スピード次第では当局の介入も視野に入

る。一時的には効果はあるだろうが、トレンド転換は難しい。特にこれから8月中は夏休

みシーズンで参加者も減る。波乱の展開があり得るだろう」とみている。

 「ドル/円のトレンド転換を考えるなら、本質的には日本の介入でなく、米景気に対す

る市場の懸念をいつどの水準で織り込み終わるかがポイントになる。ただ、今は米失業率

が上昇するような局面ではない。7月雇用統計では難しいかもしれないが、8月雇用統計

の出る9月上旬ぐらいには行き過ぎた悲観論の修正が入るだろう」と瀬良氏は予想する。

 <バーナンキ発言>

 前日のFRB議長発言について、JPモルガン・チェース銀行のシニアFXストラテジ

スト・棚瀬順哉氏は、内容全体は予想外ではなかったとしながらも、「それにもかかわら

ず米長期金利が急低下したことは、最近の米金利の低下圧力の強さを裏付けた。米金利低

下を受けて円が上昇する方向のリスクを警戒すべき」と話している。

 棚瀬氏は、ドル/円と強い相関関係がある日米2年スワップ金利差が過去数日間で一段

と縮小しているが、ドル/円の下げが限られているため、両者の間にかい離が生じている

として、米金利低下圧力の強さを考えると、かい離はドル/円の下げによって解消される

可能性が高いとみている。

 前日の海外市場では、10年物国債は一時15カ月ぶりの水準となる

2.855%付近に低下したほか、2年債利回りも過去最低水準の0.556

%に低下した。

 期間が長めの債券が選好されたことを背景に、2年・10年債利回り格差は一時230

ベーシスポイント(bp)と2009年9月以来の水準に縮小した。

 午後3時時点の10年物国債利回りは2.8728/2.8710%の気配で、前日ニ

ューヨーク市場終盤の2.882%から低下した。

 (ロイター 森佳子記者)

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