■同業他社比較
スポーツ用品小売で同業大手のゼビオ {{|0:}}、アルペンとの直近の経営数値の比較をまとめてみた
まず、既存店売上高の前年同月比伸び率の推移を見ると、3社とも基調はほぼ同じで、直近3月に関しては3社とも15%前後のマイナスとなった直近1年間で見ると、3社の中で落ち込み幅はヒマラヤ
が最も小さく、逆にゼビオの落ち込みが目立った格好となっているまた、売り場面積については3社とも新規出店を積極的に進めており、直近2年間で13~18%拡大している3社の中で見るとヒマラヤはやや先行されている感があるが、今後はドミナント戦略を基本に、出店ペースを加速化させていく計画となっており、早晩キャッチアップしてくるものと予想される 収益性について比較すると、売上原価率については3社の中でヒマラヤが相対的に高い水準となっているこれはバイイングパワーが大手2社と比較するとまだ弱いことに加えて、PB商品の売上構成比が低い(他2社は20~30%程度)ことなどが要因として挙げられるただ、前述したように適時適量仕入・在庫コントロールにより、前年同期比では改善傾向となってきているほか、今後もプロパー販売力の強化やPB商品の売上比率上昇などによって、原価率の改善余地は大きいとみられる 一方、販管費率に関しては各社ともほぼ同様のトレンドで推移している昨年4月以降は既存店の売上が低調に推移したこともあり、人件費を中心とした店舗運営費用の比率が上昇し、3社とも販管費率は上昇傾向にある同社においては、ここ数年は店舗人員の適正化を進めることで販管費率を抑制してきたことから、3社の中では低い水準で推移している尚、10-12月期のみ比率が上昇するのは新規出店が集中し一時費用が増加するためである 2014年度の業績見通しでは、大手2社が減益予想へと下方修正したのに対して、同社は唯一増益予想を維持しており、営業利益率では初めて大手2社を上回る見通しとなった利益率の水準はまだ低いものの、同社の収益性向上に向けた施策が、着実に成果を挙げつつあるものとして評価されよう消費増税の影響がなくなる2015年度は大手2社も収益性が改善するとみられるが、同社も現在取り組んでいる施策によってさらに上昇が見込まれるだけに、その動向が注目される 一方、財務状況に関しては、大手2社の自己資本比率が60%前後で安定して推移しているのに対して、同社は35%前後の水準となっており、財務体質面ではやや開きがあるこれは大手2社の有利子負債依存率が5%以下であるのに対して、同社は20%台で推移するなど有利子負債の水準が高いことが影響しているただし、上場企業比較として自己資本比率が極端に見劣りするものではなく、さらに有利子負債依存率の水準は事業規模の拡大とともに、若干ながら低下傾向となってきているまた、株主資本効率の観点でみれば、ROEではここ数年、大手2社が低下傾向となっているのに対して、ヒマラヤは8%前後の水準と最も高い水準を維持しており、大手2社よりも資本効率の高い経営ができているものとして評価されよう なお、中期計画における新規出店ペースは連結で13~19店舗/年で、年間の出店経費としては2,200~2,500百万円程度が見込まれるが、同程度のキャッシュは今期以降、期間損益で十分賄える見通しとなっている現在、取り組んでいる適時適量仕入もキャッシュフローの改善要因となっていることから、今後M&Aなど大きな資金需要が発生しない限り、有利子負債の水準としては現状レベル、もしくは改善が進むものと予想される同様に、業績の拡大によって、自己資本比率や有利子負債依存率など大手2社に対して差を付けられている経営指標においても、その差が縮小していくものと見込まれる 主な株価指標を見ると、アルペン、ゼビオの今期予想PERが業績の悪化に伴って高い水準となっているのに対して、同社は約11倍と割安感が増しているほか、東証1部上場企業平均(約18倍)に対しても下回る水準となっているまた、PBRに関しても大手2社と比較するとやや高いものの、1倍を下回る評価となっている 足元の月次売上動向が低調に推移していることや、通期業績に対する未達懸念が残っていることが要因とみられるが、前述した通り売上総利益率が改善傾向にあること、また、プロパー販売力強化や接客力向上に向けた取り組みの効果が、今後顕在化してくることを考慮すれば、下期以降は業績も増益基調に転じ、株価も再評価されてくるものと思われる (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
が最も小さく、逆にゼビオの落ち込みが目立った格好となっているまた、売り場面積については3社とも新規出店を積極的に進めており、直近2年間で13~18%拡大している3社の中で見るとヒマラヤはやや先行されている感があるが、今後はドミナント戦略を基本に、出店ペースを加速化させていく計画となっており、早晩キャッチアップしてくるものと予想される 収益性について比較すると、売上原価率については3社の中でヒマラヤが相対的に高い水準となっているこれはバイイングパワーが大手2社と比較するとまだ弱いことに加えて、PB商品の売上構成比が低い(他2社は20~30%程度)ことなどが要因として挙げられるただ、前述したように適時適量仕入・在庫コントロールにより、前年同期比では改善傾向となってきているほか、今後もプロパー販売力の強化やPB商品の売上比率上昇などによって、原価率の改善余地は大きいとみられる 一方、販管費率に関しては各社ともほぼ同様のトレンドで推移している昨年4月以降は既存店の売上が低調に推移したこともあり、人件費を中心とした店舗運営費用の比率が上昇し、3社とも販管費率は上昇傾向にある同社においては、ここ数年は店舗人員の適正化を進めることで販管費率を抑制してきたことから、3社の中では低い水準で推移している尚、10-12月期のみ比率が上昇するのは新規出店が集中し一時費用が増加するためである 2014年度の業績見通しでは、大手2社が減益予想へと下方修正したのに対して、同社は唯一増益予想を維持しており、営業利益率では初めて大手2社を上回る見通しとなった利益率の水準はまだ低いものの、同社の収益性向上に向けた施策が、着実に成果を挙げつつあるものとして評価されよう消費増税の影響がなくなる2015年度は大手2社も収益性が改善するとみられるが、同社も現在取り組んでいる施策によってさらに上昇が見込まれるだけに、その動向が注目される 一方、財務状況に関しては、大手2社の自己資本比率が60%前後で安定して推移しているのに対して、同社は35%前後の水準となっており、財務体質面ではやや開きがあるこれは大手2社の有利子負債依存率が5%以下であるのに対して、同社は20%台で推移するなど有利子負債の水準が高いことが影響しているただし、上場企業比較として自己資本比率が極端に見劣りするものではなく、さらに有利子負債依存率の水準は事業規模の拡大とともに、若干ながら低下傾向となってきているまた、株主資本効率の観点でみれば、ROEではここ数年、大手2社が低下傾向となっているのに対して、ヒマラヤは8%前後の水準と最も高い水準を維持しており、大手2社よりも資本効率の高い経営ができているものとして評価されよう なお、中期計画における新規出店ペースは連結で13~19店舗/年で、年間の出店経費としては2,200~2,500百万円程度が見込まれるが、同程度のキャッシュは今期以降、期間損益で十分賄える見通しとなっている現在、取り組んでいる適時適量仕入もキャッシュフローの改善要因となっていることから、今後M&Aなど大きな資金需要が発生しない限り、有利子負債の水準としては現状レベル、もしくは改善が進むものと予想される同様に、業績の拡大によって、自己資本比率や有利子負債依存率など大手2社に対して差を付けられている経営指標においても、その差が縮小していくものと見込まれる 主な株価指標を見ると、アルペン、ゼビオの今期予想PERが業績の悪化に伴って高い水準となっているのに対して、同社は約11倍と割安感が増しているほか、東証1部上場企業平均(約18倍)に対しても下回る水準となっているまた、PBRに関しても大手2社と比較するとやや高いものの、1倍を下回る評価となっている 足元の月次売上動向が低調に推移していることや、通期業績に対する未達懸念が残っていることが要因とみられるが、前述した通り売上総利益率が改善傾向にあること、また、プロパー販売力強化や接客力向上に向けた取り組みの効果が、今後顕在化してくることを考慮すれば、下期以降は業績も増益基調に転じ、株価も再評価されてくるものと思われる (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)