[ヨハネスブルク 27日 ロイター] - 世界銀行は27日、新型コロナウイルスの影響で運用開始が遅れているアフリカ全体を共通市場にするアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)構想について、実現すれば所得の拡大が期待でき、数千万人を貧困から救えるとの見方を示した。
AfCFTAは、55カ国13億人をカバーする3兆4000億ドル規模の経済圏構想。7月1日に施行される予定だったが、新型コロナ感染拡大に伴う国境封鎖で物資の往来が停止し、関税撤廃に向けた協議も中断している。AfCFTAのワムケレ・メネ事務局長は6月、来年1月1日に運用が開始できる可能性があると述べている。
世銀は報告書で、AfCFTAが実現すれば、2035年までに、アフリカ大陸の6800万人を貧困から、3000万人を極貧生活から救えるとの見方を示した。また、関税撤廃や規制緩和などで、実質所得は約4500億ドル(7%)増加する見通し。
アフリカ諸国の輸出額は約29%増加し、域内向け輸出は81%、域外向けは19%、それぞれ増える。賃金は10%増加し、特別な技能を持たない人や女性の賃金が特に大きく伸びる見通し。