[メキシコ市 25日 ロイター] - メキシコの首都メキシコ市の今年1-5月の死者数が、過去4年間の同時期の平均を8072人上回っていることが研究者の調査で分かった。
新型コロナウイルスの感染拡大が原因となった可能性がある。
保健当局の発表によると、メキシコ市の新型コロナによる死者は1655人。当局は実際の死者数が発表よりも多いことを認めているが、検査率が低いため、正確な死者数を推定するのは難しいとしている。
ソフトウエア開発者のMario Romero Zavala氏と経済コンサルタントのLaurianne Despeghel氏がメキシコ市の死亡証明書のオンライン・データベースを基に調査したところによると、年明けから5月20日までの死者は3万9173人。過去4年間の同時期の平均は3万1101人だった。
感染症が流行した一定期間の死者数が、過去の平均的な水準をどれだけ上回っているかを示す「超過死亡」は8072人。当局が発表した新型コロナの死者は、超過死亡全体の20%強に相当する。
メキシコでは国立統計院のデータで死者数が遡れるのは2018年までで、超過死亡の算出は難しい。
Despeghel氏は「今回の調査で新型コロナ感染症が拡大した時期に死亡率が上昇したことは分かったが、新型コロナが直接・唯一の原因だと判断するにはデータが不足している」と述べた。
ロイターがメキシコ市の13の葬儀場を調査した結果、5月第1週の超過死亡は、政府が発表した同時期の新型コロナ死者数の少なくも2.5倍に達している可能性がある。