[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所は28日、今年の独経済が新型コロナウイルス危機によって6.6%のマイナス成長になる公算が大きいとの見通しを示した。2021年には10.2%の成長を取り戻すと予想している。
IFOによると、企業は、新型コロナを封じ込めるための厳格なロックダウン(都市封鎖)によって打撃を受けた事業が正常な状態に戻るのに、平均で9カ月かかるとみている。このシナリオに沿った場合、今年第2・四半期の経済成長はマイナス12.4%となる。
最近の一連の調査は、3月下旬にロックダウンによってまひ状態となった独経済が現在、ゆっくりと回復しつつあることを示唆している。ただ最新のデータは、ロックダウンの影響が前例のないものであることを浮き彫りにしている。
企業活動が正常な状態に戻るのに16カ月かかるという最悪のシナリオでは、今年の経済成長率はマイナス9.3%、来年はプラス9.5%となる。5カ月で正常に戻るという最も良好なシナリオでは、今年の成長率はマイナス3.9%、来年はプラス7.4%となる。
企業の景況感、生産、売上高、対外貿易に関するデータに基づいたこれら3つのシナリオは、ロックダウンが4月末から段階的に解除されることを前提としている。
ただ業種によっては、より長く、もっと痛みを伴う回復の道のりが待ち受けている。とりわけ航空業界は正常化に16カ月かかると予想している。旅行、接客サービス、自動車業界も回復により時間がかかるとみている。