[オタワ 3日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は3日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%に据え置いた。世界経済への新型コロナウイルスの影響はピークに達したとみられ、カナダ経済も最悪のシナリオを回避したようだという見解を示した。
この日はティフ・マックレム新総裁が就任。中銀は3月に3回利下げし、政策金利を過去最低の0.25%まで引き下げたほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と原油価格急落に対応するため、初めての量的緩和(QE)に着手した。
中銀は「カナダではパンデミックの影響で生産と雇用が歴史的に縮小している。それでも、経済は最も深刻なシナリオを回避したようだ」と指摘。
今年下半期の見通しは「大きく曇っている」としながらも、経済は第3・四半期に成長を再開するという見方を示した。
モントリオール銀行のチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏は「明るいトーンとは言わないが、懸念されていたほどネガティブではない」と述べた。
カナダドル
マックレム新総裁もこの日の会合に参加し、金利決定を支持したと説明した。同氏は2日に退任したポロズ前総裁の後任として就任した。
また中銀は、市場機能が改善していることから、タームレポの頻度を週1回にすることなどを発表した。
第2・四半期の実質国内総生産(GDP)については、広範な事業停止とエネルギー投資の減少が生産に打撃を与え続けていることから、さらに10─20%低下するという予想を示した。
市場では年内の金利変更は予想されていない。