[ローマ 13日 ロイター] - イタリアのコンテ首相は13日、新型コロナウイルス流行の危機を逆に生かし、同国を改革する機会にする必要があると訴えた。
首相は9日間の政策協議の冒頭演説で「危機を脱するために確実な取り組みを行う時が来た」と強調。「現状を生かして危機を機会に変え、イタリアの歩みを鈍くしてきた全ての障害を取り除く必要がある」と訴えた。
コンテ氏によると、政府が策定を進めている改革案には、お役所仕事の合理化のほか、デジタル投資やグリーン・エネルギーの推進、教育の改善、最貧困層の支援、女性の労働力のさらなる増加が含まれる。
伊政府は今年の国内総生産(GDP)が8%以上落ち込むと予想している。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は政策協議にテレビ通話で参加し、イタリアは新型コロナに起因する不振から脱するため、改革を実行に移し、EUの復興基金から支援金を得るべきだと強調。
欧州委は新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた域内経済への支援策として7500億ユーロの復興基金案を公表している。
欧州委の資金配分案に基づくと、イタリアは同基金から約1700億ユーロを受け、最大の受益国となる見通し。
フォンデアライエン氏は「正しい改革」を行えばイタリアはEUの基金を最大限生かせると述べた。