[北京 17日 ロイター] - 中国の北京市当局によると、16日に同市で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は31人で、前日の27人から増えた。
そのうち19人は先週クラスター(集団感染)が発生した市南西部にある豊台区だった。
中国本土の新規感染者は44人で、前日の49人から減少した。
海外帰国者の感染ケースは11件。無症状の人は11人となっている。
<北京市の感染者、6日間で137人に>
北京市では6日連続で新規の感染者が報告されており、11日以降に報告された感染者は137人となった。
同市は16日、警戒レベルを3級から2級に引き上げた。警戒レベルは4段階で上から2番目に高い水準となる。わずか10日前に2級から3級に引き下げたばかりだった。
市内の27地域が中程度リスクに指定され、この地域に入る際には検温や登録が必要になる。感染源となった卸売市場に近い1地域は高リスクに指定された。
警戒レベル2級では、市内の道路や高速道路は閉鎖されず、企業・工場も営業を継続できる。
ただ、北京市内外への移動は厳しく規制されており、新型コロナ感染症の検査が実施されている。高リスク地域の住民も隔離と検査を義務付けられる。幼稚園や小学校などはすべて閉鎖されている。
航空便の情報を提供するVariflightによると、17日に北京の国際空港に到着する便の50%、出発便の40%が既に欠航となったか、もしくは、欠航となる可能性が高く、その大半は国内線。
国営メディアによると、専門家は北京の感染拡大について、湖北省武漢市のケースとは異なり、地域が限定されており、感染源もはっきりしていると指摘。政府による対応が相対的に容易になるとの見方を示している。
ただ、近隣の河北省、遼寧省、四川省、浙江省では、集団感染が発生した北京の食品卸売市場「新発地」に関連した新規感染者が既に報告されている。
また、最近になってようやく感染状況が落ち着いた北東部の黒竜江省は、新発地に出入りした人や北京市の中・高リスク地域に居住したことがある人を21日間の隔離対象にすることを決めた。
*内容を追加しました。