[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種 (SPX)が下落して取引を終えた。新型コロナウイルス感染者が増加し、新たな抑制措置実施への懸念が広がったことで、経済回復の兆しを巡る投資家の楽観姿勢が後退した。
S&Pとダウ工業株30種 (DJI)は序盤の上昇を吐き出し、4営業日ぶりに反落した。一方、ハイテク中心のナスダック総合 (IXIC)は続伸した。
ロイターの集計によると、米国では6州で新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、懸念が高まっている。オクラホマ州ではトランプ大統領の選挙集会を控え、感染者数が過去最多を記録した。
主要株価指数は上昇して始まった。英国の研究チームは16日、人工呼吸器や酸素吸入が必要な重症患者にステロイド系抗炎症薬の「デキサメタゾン」を投与したところ、死亡率が約30%低下したと発表し、世界保健機関(WHO)が新型コロナ治療に関するガイダンスを更新する方針を示したことを受けた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はこの日、前日の上院に続き下院金融サービス委員会で証言を行い、米経済が新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた危機の最悪期は脱し始めているものの、一段の景気支援がなお必要との考えを示した。
経済指標では5月の住宅着工件数が年率換算で97万4000戸と、前月比4.3%増加したものの、市場予想の109万5000戸には届かなかった。また、先週の住宅ローン申請は11年半ぶりの高水準に達した。
S&P500の主要11セクターは8部門が下落。エネルギー (SPNY)、金融 (SPSY)の下げが大きかった。
個別株ではオラクル (K:ORCL)が5.6%安。前日発表した第4・四半期(3─5月)決算は、売上高が市場予想を下回った。
クルーズ船運航会社ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス (N:NCLH)は運航停止を9月まで延長すると発表し、8.4%下落した。同業のカーニバル (N:CCL)とロイヤル・カリビアン・クルーズ (N:RCL)も、それぞれ6.5%と7.2%の大幅安となった。
経営破綻したレンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングス (N:HTZ)は、米証券取引委員会(SEC)が難色を示したことから5億ドルの新株発行計画を停止すると発表。株価は2.6%高で引けた。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.74対1の比率で上回った。ナスダックでも1.63対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は104億株。直近20営業日の平均は129億3000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 26119.6 -170.37 -0.65 26330. 26400. 26068. (DJI)
1 52 07 41
前営業日終値 26289.9
8
ナスダック総合 9910.53 +14.67 +0.15 9943.3 9991.2 9891.8 (IXIC)
1 1 1
前営業日終値 9895.87
S&P総合500種 3113.49 -11.25 -0.36 3136.1 3141.1 3108.0 (SPX)
3 6 3
前営業日終値 3124.74
ダウ輸送株20種 9239.09 -20.54 -0.22 (DJT)
ダウ公共株15種 800.36 -2.01 -0.25 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1984.08 +18.39 +0.94 (SOX)
VIX指数 33.62 -0.05 -0.15 (VIX)
S&P一般消費財 1046.66 +0.78 +0.07 (SPLRCD)
S&P素材 352.88 -2.69 -0.76 (SPLRCM)
S&P工業 592.26 -3.96 -0.66 (SPLRCI)
S&P主要消費財 606.67 -1.20 -0.20 (SPLRCS)
S&P金融 399.73 -5.56 -1.37 (SPSY)
S&P不動産 223.37 -2.56 -1.13 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 297.89 -10.10 -3.28 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1163.36 -0.91 -0.08 (SPXHC)
S&P通信サービス 184.17 +0.14 +0.07 (SPLRCL)
S&P情報技術 1798.83 +0.58 +0.03 (SPLRCT)
S&P公益事業 298.30 -0.92 -0.31 (SPLRCU)
NYSE出来高 10.03億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 22525 - 5 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 22460 - 70 大阪比 <0#NIY:>