[メルボルン 26日 ロイター] - 原油先物価格は26日、需要回復期待を背景に上昇している。ただ、米国の一部の州で新型コロナウイルスの感染が再び広がっており、上値を抑えている。
0150GMT(日本時間午前10時50分)時点で米WTI先物 (CLc1)は0.42ドル(1.1%)高の1バレル=39.14ドル。同水準を維持した場合、週間では小幅安となる。
北海ブレント先物 (LCOc1)は、0.47ドル(1.1%)高の41.52ドル。こちらも週間で小幅安となる水準。
CMCマーケッツのチーフストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏は、新型コロナ感染再拡大の懸念があるにもかかわらず、この日のコモディティ市場は世界的な回復について肯定的な見方が支配的になっていると分析。
「市場は需給のファンダメンタルズ(基礎的条件)を無視し、センチメントで動いているようだ」とした。
衛星データによると、中国や欧米で人や物の移動が再び活発になっており、燃料需要の回復が期待できるとアナリストは指摘している。
ただ、米国南部の一部の州でのコロナ感染者の急増が需要回復を阻害しかねないとの懸念がある。これらの州にはガソリン需要が特に大きいフロリダやテキサスが含まれているからだ。
オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)のリサーチ部門はリポートで「(新型コロナの)新たな感染の広がりが回復に水を差す可能性がある」としている。
また、米国の原油生産の増加見通しが上値を抑えている。米ダラス地区連銀が南部の石油・ガス生産会社を対象に実施した調査によると、3分の1以上の企業が月末までの生産の一部再開を予定しており、さらに20%は7月の再開を計画している。
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200626T014300+0000