[20日 ロイター] - 米国株式市場は下落し、ダウ工業株30種 (DJI)が219ドル安で取引を終えた。新型コロナウイルス感染の急増がワクチン実用化への期待に水を差す格好となった。
週間ではダウ平均とS&P総合500種指数 (SPX)が小幅安。ハイテク株の多いナスダック総合指数 (IXIC)は小幅高となった。
レノックス・ウエルス・アドバイザーズ(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、デービッド・カーター氏は「コロナ感染の急増とワクチン開発の進展で、相場は一進一退の動きになっており、ワクチンが実用化するまでこうした状況が続くだろう」と述べた。
米製薬大手ファイザー (N:PFE)は20日、開発中のコロナワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。コロナワクチンの緊急使用許可申請は米国内で初めて。
ムニューシン米財務長官は19日、新型コロナウイルス危機を受けて導入した連邦準備理事会(FRB)の緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了する考えを表明。長官はこの日、コロナ禍で中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だと述べ、コロナ向け緊急支援プログラムの一部打ち切りに理解を求めた。
一方、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、ムニューシン長官の判断について「バックストップ(安全策)としての役割はかなりの期間、非常に重要になり得ることから、失望している」とした上で「コロナ感染は拡大しており、リスクが伴う。全方位からの支援拡大が望ましい」と述べた。
前出のカーター氏は「こうした財務省とFRBの対立は望ましくなく、相場に深刻な影響をもたらす恐れがある。コロナのリスクが根強い中、タイミングが悪い」とした。
全米ではコロナ感染者が記録的に増加する中、コロナ関連の入院数が50%も跳ね上がっており、各地で学校や店舗の閉鎖や外出禁止の動きが相次いでいる。
個別銘柄ではテレビ会議ソフトのZoom(ズーム) (O:ZM)が6%高。
製薬のギリアド・サイエンシズ (O:GILD)は0.9%安。世界保健機関(WHO)は20日、同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」について、症状の重さにかかわらず、新型コロナウイルス感染症の入院患者による使用は推奨しないとの指針を示した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.06対1の比率で上回った。ナスダックでは1.12対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は106億9000万株。直近20営業日の平均は107億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29263.48 -219.75 -0.75 29437.5 29469.8 29231.2 (DJI)
7 9 0
前営業日終値 29483.23
ナスダック総合 11854.97 -49.74 -0.42 11892.7 11935.4 11852.5 (IXIC)
0 7 1
前営業日終値 11904.71
S&P総合500種 3557.54 -24.33 -0.68 3579.31 3581.23 3556.85 (SPX)
前営業日終値 3581.87
ダウ輸送株20種 12232.10 -118.65 -0.96 (DJT)
ダウ公共株15種 873.29 +0.35 +0.04 (DJU)
フィラデルフィア半導体 2555.50 -14.72 -0.57 (SOX)
VIX指数 23.70 +0.59 +2.55 (VIX)
S&P一般消費財 1243.31 -6.37 -0.51 (SPLRCD)
S&P素材 437.84 -0.58 -0.13 (SPLRCM)
S&P工業 730.99 -6.70 -0.91 (SPLRCI)
S&P主要消費財 682.83 -4.41 -0.64 (SPLRCS)
S&P金融 450.77 -4.01 -0.88 (SPSY)
S&P不動産 228.51 -1.51 -0.66 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 267.24 -1.41 -0.52 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1266.25 -2.49 -0.20 (SPXHC)
S&P通信サービス 211.22 -1.17 -0.55 (SPLRCL)
S&P情報技術 2109.68 -22.39 -1.05 (SPLRCT)
S&P公益事業 321.68 +0.15 +0.05 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.86億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 25745 + 205 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 25740 + 200 大阪比 <0#NIY:>