山口貴也
[東京 30日 ロイター] - 国の2020年度税収が60兆円強と過去最高となったことが新たに分かった。大企業の業績が堅調だったことなどを受け、税収に占める割合が高い法人、所得、消費税収の基幹3税がそろって想定を上回った。長引く新型コロナウイルスの影響は軽微にとどまり、昨年末の見込額からは5兆円以上の上振れとなる。複数の政府筋が明らかにした。
政府は、企業業績の悪化や消費の落ち込みは避けられないと判断し、昨年末時点で税収を55.1兆円と想定していた。決算ベースでは2018年度の60.4兆円がこれまでの最高額で、20年度はこれを2年ぶりに更新する。コロナが直撃した19年度実績は58.4兆円だった。
景気回復で先行する海外経済を背景に企業業績はさほど落ち込まず、法人税収が想定を超えて推移した。消費、所得税収もそれぞれ想定を上回った。19年10月に引き上げた10%の消費税率が通年で効いた影響も大きい。
20年度一般会計決算概要と併せ、財務省が週明け5日に発表する。