[北京 1日 ロイター] - 中国で新型コロナウイルス感染が確認された都市やリスクが懸念される都市では娯楽施設が閉鎖されたり、文化イベントが延期されたりしており、レジャー・観光業界が影響を受けている。
国営メディアによると、上海ディズニーランドは1日と2日に入園を停止し、10月30日から31日に園内にいた客やスタッフに新型コロナ検査を直ちに受けるよう求めた。
これらの措置は上海市外の当局から要請された新型コロナ調査への協力の一環だとしているが、詳細は明らかにされていない。
公式データに基づく1日時点のロイター算出によると、10月17日から31日までの間に確認された国内感染者は、主に中国北部で計484人に上った。
感染者の多くは複数の地域を旅行した観光客で、接触者の追跡調査は複雑化・長期化している。
他国と比較すると、中国の感染者数はごくわずかで、一部の地域ではここ数日で感染者数の伸びが鈍化したり停止したりしているが、ビジネスや地域経済の混乱を犠牲にしても、感染リスクを最小限に抑えるための努力を惜しまないのが中国の特徴だ。
<株価も下落>
中国の大手航空会社3社は、7─9月期に前四半期よりも深刻な損失を計上。これは夏の間に国内で新型コロナ感染が再燃し、国内旅行が落ち込んだためだ。
観光当局は先月、感染リスクが高いとされる地域を含む省間の旅行を旅行会社が企画することを禁止すると発表し、観光地を結ぶ専用列車の運行を停止した。
首都北京を含め市中感染があった多くの都市では、インターネットカフェ、チェスやカードの遊技場、映画館など一部の屋内レジャー施設が運営を停止し、マラソンレース、コンサート、演劇などの多くの公演が延期または中止された。
また、市中感染が数カ月間確認されていないいくつかの都市でも文化・レジャービジネスに影響が出ている。
国際的な展示会が開かれる南部の東莞は、感染者が報告されていないにもかかわらず、さまざまなイベントを中止した。
中国の消費関連企業や観光関連企業の株価は、1日序盤の取引で下落。生活必需品株は1.5%下落し、観光株は4%以上値を下げた。