[ソウル 1日 ロイター] - 韓国が1日、新型コロナウイルスとの共存に向けた新たな規則を導入した。今回は第1段階で、広く規制を緩和する一方、ジムやサウナ、バーなどの高リスク施設でのワクチンパスポート導入などが含まれる。
新ルールはワクチン接種完了率が人口の75%を超えたことから導入。第1段階は1カ月間の実施予定で、1月までに全規制を撤廃する計画という。
クォン・ドクチョル保健福祉相は対策会議で、「きょう一歩を踏み出した日常への復帰は、これまでで初めて踏み入れた道のりだ」と述べた。一方、ワクチン未接種の人がいることや接種者の抗体減少、年末に人が集まることなどのリスク要因による新たな感染者増加の可能性はなお残っていると指摘し、マスク着用や定期的な室内の換気、症状が出た場合に検査を続けるよう呼び掛けた。
韓国は感染拡大抑制のためのロックダウン(都市封鎖)を一度も行っていない。現在の感染第4波が始まった7月には、政府が集会や社会的距離(ソーシャルディスタンス)の規制を強化した。
新ルールでは、レストランやカフェの営業禁止時間が撤廃されたほか、屋外スポーツイベントの観客入場が収容人数の50%まで緩和された。ミュージカルやコンサートにはワクチン接種状況を問わず最大100人が入場可能、ジムではランニングマシンのスピード制限などがなくなった。
一方、バーやナイトクラブ、屋内ジム、サウナ、カラオケバーの入館には、ワクチン接種または48時間以内の検査での陰性を証明することが求められる。
保健省の報道官は、今後数週間で新規感染者が2─3倍に増加する可能性があると述べた上で、1日最大5000人までを受け入れる医療体制を確保しているが、1万人に迫った場合は緩和路線を停止して緊急時体制に切り替えると説明した。
10月31日の新規感染者は1686人、累計では感染者が36万6386人、死者は2858人。