[3日 ロイター] - 米国で3日、5─11歳向けの新型コロナウイルスワクチン接種が始まった。約2800万人が対象となる。感染力の強いデルタ変異株の流行で、ワクチン接種の対象となっていない12歳以下が現時点での国内感染者の約25%を占めており、子どもへの接種が焦点となっていた。
バイデン米政権のファウチ首席医療顧問はCNNとのインタビューで「学校を巡る問題により容易、安全に対応できる」という考えを示した。
米政府は1500万回分の子ども向けワクチンを全米に配布。接種は3日から開始されたものの、より幅広い接種は来週以降となる見通し。
米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会は2日、ファイザー・製の新型コロナワクチンの5─11歳の子どもへの接種について、恩恵がリスクを上回るとして全会一致で支持を決定した。
接種の容量は10マイクログラムで、12歳以上に対する容量の3分の1に当たる。臨床試験(治験)では、子供の有症状感染の予防で90%強の有効性が示されている。
米国では保守層を中心にワクチン懐疑論が根強く、子どもへの接種がどのように進むかは不透明だ。
ニューヨーク州のホークル知事は2日、子ども向けワクチン接種を奨励する狙いで、イベントチケットを配布すると発表した。カリフォルニア州ではこれまでに、子ども向けワクチン接種が承認された段階で、学校に通う子どもの接種を義務化する方針を示している。