[7日 ロイター] - 世界の新型コロナウイルスの累計感染者数が7日、2億5000万人に迫った。足元ではデルタ変異株の感染拡大が落ち着き、貿易の正常化や観光旅行の再開が進みつつあるが、東欧の一部の国々では新規感染者が過去最多に上っている。
ロイターの分析によると、過去3カ月間で1日当たり新規感染者数の平均は36%減少したが、デルタの感染力の高さを反映し、3カ月当たりの新規感染者は5000万人となお多かった。コロナ流行当初は、感染者数が5000万人に達するのに1年近くを要した。
保健専門家は、多くの国々がワクチンの普及などによって最悪期を脱したとの楽観的な見方を示しているが、北半球がこれから冬期を迎え、年末年始にかけて人々が集まる機会が増えるのに伴い、流行が加速する可能性を指摘する声もある。
世界保健機関(WHO)で新型コロナ対応を主導している疫学研究者、マリア・バンケルコフ氏はロイターに、現在から2022年末までの期間は「ウイルスを制御し、重症化と死者を大幅に抑えられる」との見方を示した。
ワクチンに加え、新型コロナ感染者の治療も進歩している。
ただ、ロイターの集計対象の240カ国のうち、55カ国では新規感染者が依然増えており、ロシア、ウクライナ、ギリシャは過去最高水準、または接近している。
東欧はワクチン接種率が低く、世界の新規感染者の半分以上を欧州の国々が占めている。欧州では新規感染者が4日ごとに100万人のペースで報告されている。
ロシアの複数の地域は今月初め、コロナ感染者の急増を受け、行動制限を追加導入するか職場閉鎖を延長する可能性があると表明した。
オックスフォード大学が運営する「アワーワールド・イン・データ」によると、世界の人口の半数以上がコロナワクチン1回目をまだ接種していない。低所得国では少なくとも1回目のワクチンを接種した割合が5%未満にとどまっている。